MTGで粉飾決算疑惑が発生、2018年9月期のキャッシュ・フロー計算書で異変は察知できていた

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シックスパッドの開発・販売で知られるMTGが2019年9月期のQ2決算で、大幅な減益に加えて、不適切会計=粉飾決算の可能性を発表しました。

2018年に急成長するユニコーン銘柄としてIPOしたMTGですが、一気にメッキがはがれた状態です。しかし2018年9月期決算のキャッシュ・フロー計算書を見ると、その異変の兆候は既に現れていました。

MTGの2018年9月期のキャッシュ・フロー計算書を振り返ってみます。

MTGで粉飾疑惑が発覚

シックスパッドで知られるMTG<7806>で粉飾決算の疑惑が発覚。あと粉飾疑惑の最中、監査法人の決算承認前に中間決算を発表していたことも明らかになりました。

シックスパッドのMTG「不適切会計」疑いで窮地(東洋経済オンライン)

なんだか東芝の一件以来、粉飾ではなく不適切会計という言葉に置き換わりつつある今日この頃ですが、内容って一緒だよね・・・。

とりあえず粉飾疑惑については第三者委員会を設置して、そちらの判断を待つことになりますが。ただし粉飾疑惑発覚前に、既に同社の決算は既に大幅な減益を発表しています。

2018年9月期Q2 売上高284億円、営業利益52億円、四半期純利益37億円
2019年9月期Q2 売上高246億円、営業利益7億円、四半期純利益0億円

半期で50億円以上あった営業利益が7億円となり、▲87%の減益。四半期純利益に至っては37億円がゼロに。売上自体は▲13%の減益に留まっているものの、大幅な減益となっています。

ユニコーン企業として華々しくIPOしたMTGでしたが、2018年9月期Q2決算を見ると、そのメッキがはがれ始めている状態です。

既に2018年9月期のキャッシュ・フロー計算書に異変が見られる

MTGの異変の兆候、実は2018年9月期の決算の段階で見つけることができます。下記が2018年9月期のキャッシュ・フロー計算書です。


・MTG2018年9月期キャッシュ・フロー計算書(決算短信より)

上記を見ると、2018年9月期の当期純利益は55億円ですが、営業C/Fは▲12億円。内容を見ると、売上債権が▲47億円(増額)、たな卸資産▲42億円(増額)と要は在庫が増加して、売掛金も回収がなされていない状態。その両者をもって、即粉飾だ、とはなりませんが、多少財務会計の知識があれば、違和感のある部分です。

会社側は理由を色々と説明したのでしょうけど、変なの・・・、という第一印象には違いなく、少なくとも2018年9月期決算を見ると、新たに株を購入するような銘柄ではないな、という内容。

まさかその半年後に大幅減益決算に加えて粉飾疑惑まで生じるとは、その時は考えが至らずとも、C/Fを見て違和感があればその後の事態の推移に、驚きは少ないのではないかと。(ちなみに11月の決算発表の際の通期予想を、3月に大幅下方修正しています)

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軽くでも財務分析しないとダメ、という典型例かと

損益計算書で黒字でもC/F計算書で赤字の場合、要注意の場合が多いです。古い話だと、その昔の新興バブルの頃、インデックス(懐かしい!)の財務分析をやって、なぜに営業C/Fが大赤字なのにこんなにもてはやされるのか?、と不思議に思ったのはよい思い出です。

その後のインデックスの凋落はご存知の通り。歴史は繰り返すじゃありませんが、少なくともMTGのように物品を扱ってる会社で、黒字なのにC/Fが収支トントンって、財務分析の初級教科書に出てくるレベルの要注意ケースです。

どうやら粉飾の可能性は内容はさておき高そうですが、それと企業の存続は別問題であり、今後MTGが復活する可能性は否定できません。ただし今回の事態は、少なくとも軽くでも財務分析していれば、投資家の側としては被害を避けられています。

テクニカル派の管理人ですが、中長期での株式投資を行う際は財務分析を始め企業分析をチャントやらないとダメね・・・、と再認識するMTGの粉飾疑惑となりました。

まとめ

MTGがIPOしたのは2018年7月。メルカリ程ではないものの、ユニコーン企業としてIPOしましたが、残念な結果になっています。

ちなみに主幹事は野村証券で監査法人はトーマツ。しっかりしているトーマツでも粉飾は見抜けなかったのか(まだ疑惑ですが)・・・、ということで、MTGはうまくIPOしたなー、と思わないでもありません。

MTGは粉飾疑惑に沈み、一向に海外事業が立ち上がらず赤字のメルカリ、去年のIPOの代表銘柄も苦戦してます。ちょっと周りを見渡すと昨年株式市場を沸かせたTATERUは事業停止状態と、新興市場を代表する銘柄がシンドイ状態となっています。

アメリカではウーバーのIPOも失敗した状態であり、IPO市場そして新興市場、潮目の変化を感じます。

いずれにしても、中長期の期間で株式投資を行うなら、軽くでもよいので財務分析しましょう、という教訓を改めて得ることになったMTGとなりました。投資の基礎は、まず避けられるリスクを避けることです。しかしMTGはどうなってしまうのでしょうか?少し注目しようと思います。

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