シャープは倒産せず再生するか?現金流出スピードと現金残高が鍵!

 2度目の経営危機を迎えリストラ等で何とか再生を目指しているシャープ。2015/9期の中間決算は、大方の予想通り赤字でしたが、シャープの経営状態の深刻さはP/L(損益計算書)よりC/F(キャッシュフロー計算書)により現れています。

 現金の流出が止まらないシャープ、倒産に至らず再生が成功するかどうかは、現金の流出を抑えつつ、いかに利益を出していくのかにかかっています。現金流出スピードと現金残高が、シャープの経営危機を示すタイマーとなりつつあります。

株式会社DMM.com証券(外為ジャパン) スポンサードリンク

シャープの2015/9中間期は赤字

 経営再建計画がスタートから躓いているシャープ。第1四半期からいきなり赤字を計上し不評を被っており、上期自体の赤字が予想されていましたが、蓋を開けてみれば、大方の予想通り2015/9中間期も赤字となりました。

15.11.2シャープ15年9月中間期-min

 ただし1Q→2Qと数字自体は改善傾向にあり、下期に向け期待はできる状況となっています。

 シャープは、通期で営業利益100億円、という計画を出しています。営業利益100億円というと、上期営業利益が▲25億円なので下期で125億円以上の黒字を出す必要があります。
 今のシャープの状況を考えると、劇的に何かが発生しないと相当高いハードルと感じますが、さすがにここで再度下方修正というミットモナイことも出来ないので、ここは期待半分不安半分で見守るしかなさそうです。

 ただね、シャープの危機はキャッシュ・フロー(C/F)計算書を見ると、余り変化は無いように見受けられます。

シャープのキャッシュ・フロー計算書、現金流出は止まらず

 財務分析の教科書を見ると、会社の分析は損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)とキャッシュ・フロー計算書(C/F)の3者を合わせて見ることで、より実態が分かる、とあります。

 粉飾決算を見抜く際は、C/Fの分析は必要不可欠ですが、どんな会社であれ目先の状況がどうなっているかを把握するにはC/Fを見ると見えてくるものがあります。
 そんな訳でシャープのC/Fを見てみます。

15.11.2シャープ15年上期数字キャッシュフロー付き-min

 営業C/Fと投資C/Fは1Q・2Qともに赤字。財務C/Fは1Qは優先株を約200億円発行しているので黒字ではありますが、それでも上期で見ると半分以下の90億円となっています。

 確かに営業C/Fは1Q→2Qに▲514億円→▲77億円と大幅に改善していますが、営業ベースで現金流出状態という状態に変わりはありません。

 そして、上期だけで現金の流出821億円!
 うーむ、シンドイ状況が続いている、と言わざるを得ません。

2015/3期から続く現金の流出

 当期と同じように、前期の2015/3期のシャープのP/LとC/Fを四半期毎に並べてみたものが下記となります。

15.11.2シャープ15年3月期決算+キャッシュフロー-min

 シャープの現在の危機は前期の2015/3期からスタートしている訳ですが、2015/3期は驚くこと無かれ、営業C/Fはプラスです!

 シャープの2015/3期のC/Fを見ると通期で現金の流出▲1,184億円ですが、これは2Qに社債償還等で1,131億円のマイナスが主な原因。社債償還等がなければ、C/Fの悪化はそれ程でもなかった、と言えます。

 とは言え、現金の増減を見ると4Qで若干のプラスになった以外は、四半期毎に着実に現金が流出していたシャープ。当期の1Q・2Qともに現金の流出が続いており、キャッシュ・フロー計算書を見る限りは、シャープの再建はあまり進んでいない、と言わざるを得ません。
 進んでいないどころか、営業C/Fが2Q連続での赤字は前期ではなかった事態。当期は1Qに営業C/Fで514億円の赤字を出したのに、2Qも営業C/Fが77億円も赤字を計上。なかなかシンドイ状態が続いています。

スポンサードリンク

現金流出が経営危機のタイマーに

 決算書から見るシャープの最大の問題は、現金が減り続けている所、と言えます。

 2015/3期の1Qに3,320億円存在していた現金が、今や1,500億円と半分以下に減少しています。そして貸借対照表(B/S)を見ると、当期204億円の社債償還があるので、実質的な現金残高は約1,300億円。

 仮に1・2Qと同じように約400億円ペースで現金が流出すると、2016/9中間期に現金ゼロ、という事態をシャープは理論上迎えることになります。

 今後は(既に?)、現金流出量と現金残高がシャープの経営危機の度合いを示すタイマーとなりそうです。

15.11.2時計-min
時計の針は確実に進んで行きます

銀行がシャープを支えている状態

 シャープの2015/9中間期の貸借対照表(B/S)を見ると、短期借入が6,385億円が存在しています。現金が約1,500億円なので、シャープの短期の資金繰りはもう完全に銀行=みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行の2行に面倒を見てもらっている状態。銀行が借り換えしない、と言ったらシャープは一発でお金が回らなくなります。

 売上2兆円オーバーで従業員及び家族の数も多いシャープ、国を始め簡単に潰れてもらっては困る会社な訳で、銀行が手のひらを返すことは無いと思われますが、シャープは完全に首根っこを銀行に押さえられている状態。

 お金って貸すまではお金を貸す側の立場が強いのですが、一旦お金を貸してしまうと、お金を借りた側の立場が強くなるため(お金を返してもらわないといけないので)、今のシャープと銀行は結構微妙なバランスの上に関係が成り立っている面があります。

 ただし、基本的に役員まで派遣しているメガバンク2行がシャープを支えるということでしょうが、仮にシャープが地方銀行からお金借りていて地銀が一抜けた、とやった時、メガバンクがそこまで面倒を見るかどうか。地銀の一抜けた、というのが破綻の切っ掛けとなったケース、過去ありますので。まぁ、シャープが地銀からお金を借りているかどうかは分かりませんが。

 銀行筋としては、早期にシャープを産業革新機構に送りたいのでは?そう簡単にシャープが、分かりました、とは言わないでしょうし、仮にシャープが産業革新機構送りになったとしても、問題山積でしょうけど。

まとめ

 昨年の経営危機の再発以来、なかなか立ち直りの兆しが見えないシャープ。2015/9中間期も正直あまり思わしくない数字となっています。
 さすがにこのまま指をくわえてジリジリと・・・、と言うことは無いと思いたい所ですが、試金石は第3四半期。ここでも特にC/Fの傾向が変わらないと、さすがにマズイのではないかと思われます。

 業績がこんな状態となっており、当然シャープは株価も立ち直りの兆しが見えず、遂に絶対防衛ラインの140円も割れてしまいました。

 果たしてシャープは第3四半期で見事に反撃の狼煙を上げることができるのか?2015/12月の第3四半期の数字、特にキャッシュ・フローに注目です。

「シャープの関連記事」まとめページ作りました!

FivoCat
「株価プレス」のFacebookアカウントをフォローすると、更新情報をタイムラインにお届けします!
スポンサードリンク
スポンサードリンク