半導体メモリー市場がマイナス成長に、東芝メモリーのIPOは実現するのか?

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2019年の半導体メモリー市場は、わずかながらも遂にマイナス成長の予想。活況を呈してきたメモリー市場もひと段落する見込みです。

しかしメモリー市場の好調を背景に、IPOを計画している東芝メモリーにとって、メモリー市場の悪化は死活問題になりかねません。

メモリー市場と東芝メモリーのIPOはリンクしています。今後の半導体メモリー市場の動向が注目されます。

半導体メモリーが遂に息切れ

管理人、自作PC派なんですが、ここ2年ほどメモリーが高いなー、とズーッと思ってます。メモリーって以前は結構お手ごろ価格だったのですが、随分高くなったと感じています。

調べて見るとメモリーはスマートフォンは言うに及ばず、データセンターの需要、更に仮想通貨のマイニング需要にも支えられて、馬鹿売れ状態。そりゃ自作PC用なんて、一番儲からない分野にメモリーは来ないよね・・・。しかし十数年自作PC触ってパーツの価格見てますが、今回はメモリー価格の高止まり続くなぁ、と思ってました。

そしたら遂に2019年は半導体メモリー市場がマイナスに転じる、との報道。

半導体サイクル試練 メモリー4%成長、一転マイナス(日本経済新聞)

これでメモリー価格が安くなる?今8ギガのメモリーのPCでブログ書いたりトレードしたりしてますが、16ギガにしたいな、と思っており、実現の日は近い?

仮想通貨のマイニング市場が死んでるからでではないか?

データセンターへの投資はアメリカ中心に継続的に進んでいるようですし、AIなどでメモリーの能力が必要とされる場面は増えています。

そんな中でのメモリー市場のマイナス成長、まぁそりゃいずれ成長は止まるものですが、仮想通貨のマイニング市場が死んだからマイナス成長になったのではないかと、思ったり。

そんなにマイニングは詳しい訳ではありませんが、マイニングマシーンもメモリーが必要な中で、NVIDIAはもうマイニングビジネス捨ててます。

関連記事:NVIDIAが仮想通貨のマイニングに見切りをつける、マイニングブームの終焉

鳴り物入りで参入したGMOも、マイニング事業は赤字を垂れ流し中。下記チャート掲載しましたが、11月にはビットコインが遂にこれまで耐えていた抵抗線を割れてしまっており、マイニングがビジネスとして成り立つのが非常に難しい状態。そんな中で新たにマイニングマシン買う奇特な人はいなくて、そうなるとメモリーをがぶ飲みしていたマイニング市場が消滅してしまう訳で、当然その分は市場が縮小します。

今年のメモリー市場のマイナス、そんなところに原因があるのではないかと。


・11月に底割れしたビットコイン価格(画像はBTC/USD週足チャート)

東芝メモリーはIPOを目指している

2018年最大のIPO銘柄といえば、何と言ってもソフトバンクですが、来年以降の大型IPO銘柄と見られているのが東芝メモリー。いわずと知れた東芝の不適切会計問題により、東芝の事情で切り離された東芝のメモリー部門です。

東芝メモリーは既に東芝から切り離されて、ファンドが主導する企業となっています。そして早期のIPOを目指しています。

東芝メモリーは世界を代表する半導体メモリーの会社であり、IPOがなされれば非常に高く評価されるのではないか、と期待がされています。

ただし当然IPOは業績や半導体市場がよいことが大前提。まぁ無理にジャパンディスプレイ(JDI)のように将来の数字をきれい作ってIPOする方法もあるのですが、ロクなことにならないのは、JDIの株価が物語っています・・・。

東芝メモリーのIPOは半導体市況が好調なのを前提としています。足元メモリー市場が縮小に転じており、その前提に若干綻びが生じています。この綻び、問題ないレベルで終わればよいのですが、このまま綻びが広がっていくと、IPO計画自体が暗転しかねないリスクがあります。

関連記事:東芝メモリが2019年秋にIPOの方向へ、投資家が注意すべき2つの点

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半導体メモリービジネスは金がかかる!

東芝メモリーを東芝から切り離す際、もったいない!、という声が上がりました。確かに損益計算書(P/L)の観点からはその通りなんですが、メモリービジネスって金食い虫なんです。

常に最新の設備が必要であり、P/Lが黒字であろうと赤字であろうと、設備投資をし続けなければならない、そうしなければチキンレースに負けてしまう状態。

そんな訳でメモリービジネスはキャッシュ・フローの観点では、非常に厳しいビジネスです。東芝の偉かったところは、メモリー市況がよいときも悪い時も文句を言いながらも投資を続けたところ。よいときはメモリー事業の収益で設備投資の資金を賄えますが、悪い時は持ち出しになります。(とは言え一回東芝もメモリービジネスから撤退してます、再参入後は腹をくくって投資を続けていました)

現在の東芝メモリーのリスクは、もう東芝が資金面で支えてくれない所。市況や業績が悪くなった時に、支えてもらえる相手がいません。

だからどうしてもメモリー市況が本格的に悪くなる前にIPOして、資金調達を行う必要があります。ファンドのEXITという観点もありますが、東芝メモリー自身が今後現在の立ち位置で生き残るためには、資金が絶対的に必要となります。

まぁIPOして資金調達できた後、5年後とかに次の資金が必要になった時どうするのか、という問題が生じる感もありますが、そんな先の話は今考えてもしかたない、と割り切る必要もあったりします。

ともあれメモリー市場が本格的に曲がってくると、東芝メモリーはIPOどころか、事業展開事態がマズイ状態になりかねないリスクがあります。よって2019年は縮小に転じる予想のメモリー市場、来年どうなるのか東芝メモリーという観点では非常に重要になってきます。


・半導体メモリー事業はどんな時も投資をし続けなければならない資金的にシンドイビジネス

まとめ

2018年はIPO市場は活況を呈した状態です、12月もソフトバンクだけではなく多くの銘柄がIPOを予定しています。

東芝メモリーは2019年にIPOできるかどうかは分かりませんが、早期にIPOを目指す、ということで東芝から切り離しがなされています。そんな中で、わずかではあるもののメモリー市場の縮小。

個人的にはPCのメモリー価格が下がりそうで嬉しいな、という感じですが、東芝メモリーはどうなるのよ、という観点では結構大変かもしれません。管理人どうしても東芝メモリーにルネサスの前進のNECエレクトロニクスを重ねてしまうんですよ。。。

東芝問題も遠くになりにけり、という感じですが、本体から切り離された東芝メモリーにとっては、一連の東芝問題はスタートにしか過ぎません。

半導体メモリー市場の行方、そして東芝メモリーのIPOの行方、2019年は何かと話題になりそうです。注目しようと思います。

・東芝メモリーのIPO時期はまだ未定ですが、IPOとなった時にSMBC日興証券は取扱い証券会社となる可能性が高いです。大手証券会社ながら、IPO株の一部を抽選で割り振る同社に口座開設しておいてはいかがでしょうか?三井住友銀行グループのSMBC日興証券は毎年数多くのIPO案件の取り扱いがあり、IPO投資には欠かす事のできない証券会社です。大手証券で敷居が高いと感じている方も多いようですが、通常のネット証券と同様に口座開設でき、IPO株の申し込みもできますよ。

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