日本でも多少報道されていますが、EU離脱を決定したイギリスでEUをどう出ていくかで大揉めしています。
そんな中、ハードブリグジット=けつまくってEUから出ていく、の懸念からポンド(GBP)が下落しています。ただしよーく市場を見てみると、ポンドは下がっていますが、イギリスの株価指数UK100は絶好調で上昇しています。
ブリグジットでイギリスの景気は悪くなるから株価下がるんじゃないか?、と思うのが普通ですが、相場はそんな一般論とは違うロジックで動いているようです。12月から上げっぱなしのイギリス株、さていつまで上がるのか、今後の展開に御注目。
概要
EUからの離脱方法でイギリス国内が揉めている
昨年6月に国民投票でEUからの離脱を決めてしまったイギリス。国民投票の際、金融市場に大きな影響を与えています。
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そしてEUから離脱が決まった後、じゃあどうやって出ていくのよ、という方法論で国内が揉めに揉めています。要は、EUという単一市場になるべく残る形でなるべくいいトコ取りして離脱するか、移民問題にかかわるのが嫌なので一刻も早くけつまくってしまいたい、というのかで世論が二分。遂には裁判所まで出てきてEU離脱プロセスにケチをつけることになり、外野から見ていて、大丈夫か・・・、と思う事態に。
現状の混乱を受けて、イギリスの通貨ポンド(GBP)は大きく下落しています。何はともあれ通貨は混乱を嫌いますので。週足で見ると、再びポンドドル(GBP/USD)は底が抜けそうな感じ・・・。
この国内世論を二分している問題、遂に1月17日(火)にメイ首相が会見して決着を付けようとしていますが、記者会見は概ね”ハードブリグジット”の路線=EUからけつまくって離脱、の方向になると予想されています。
しかしイギリスのEU離脱も驚きましたが、ハードブリグジット路線を取ることになるのも驚き。イギリス国民の中には、外からはうかがい知れぬほどEUに対する不満が溜まっていた、と言うことかと。
けどEU経済との相互関係に依存していたイギリス、本当にけつまくってしまって大丈夫だろうか?まぁ当の本人たちがそれを望んでいるので、遠く離れた島国からは傍観することしかできませんが。
ハードブリグジット騒動の中で上昇を続けるイギリス株価指数UK100
ハードブリグジット路線で経済の見通しもシンドそうなイギリスですが、であればイギリスの株価もサッパリだろう・・・、と思いきや、全く意外なことにイギリスの株価は絶好調。イギリスの株価指数UK100は12月入って以降、上昇が続いています。
日足で短期間分を見てみるとこんな感じ。12月入ってからの上昇がスゴイ!ハードブリグジットはどこ吹く風、という感じ。
実はこの株価上昇、本格的で2004年以降で見ると最高値を更新してしまっています。
月足で見ると足元のFT100の株価上昇は本格的なものと見えてきます。実は1月に大幅に下落して大きな上ヒゲを付けて下落しました、なんて可能性もまだゼロではありませんが、現状のチャートだと、確実に最高値更新のパターンです。
ハードブリグジットで揉めているイギリスの株価が上昇って、変な感じですね。。。
イギリスの株価上昇の理由はポンドの下落で説明できる
イギリス経済の混乱が予想される中での株価の上昇、一見すると不思議な状況ですが、その事情は筋道を立てて説明はできます。日本のアベノミクス初期の頃の相場状況と一緒です。
民主党政権で猛烈な円高が進んでいましたが、安倍政権発足前後からドル円相場は円安方向に転換します。それと軌を一にするように日本の株価は上昇して行った訳ですが、今のイギリスの状況は似ています。
日本の状況を公式っぽく表すと・・・、
①円安とはUSD↑/JPY↓(円安ドル高)、主人公をJPYとするとJPY↓がメイン
②日本株を日経平均(nikkei)と便宜的に表せばnikkei/JPYとなる
③円安下の日経平均はnikkei/JPY↓
④上記よりnikkeiが↑or→であればJPY↓の影響でnikkei/JPYは上昇
この考え方で昨年末からのトランプ相場も同じように説明できます。ただしトランプ相場は、USD↑↑/JPY↓であり、USDの上昇が強すぎて相対的にJPYが↓になった、という感じかと。
この考え方、FXトレードする際に非常に役に立ちます。またここがFXの一番面白い所ではないかと。
そして上記でハードブリグジット下のイギリス株上昇も説明できます。
①ハードブリグジットの懸念からポンド(GBP)が売られる-GBP↓
②イギリス株のUK100は↑or→であれば、GBP↓の影響で、FT100/GBPは上昇
資金的に株と為替が直接つながっている訳ではありませんが、大きな資金の流れという観点では株と為替は切っても切れない関係にあります。よってこんな考えで世界の株式市場や為替市場を見ていくと、資金の流れの仕組みが見えて相場分析が非常に面白くなります。
こういった考えについては下記の本が詳しいです。
株や為替の直接的なトレードテクニックは書かれていませんが、同書を読むと相場を大きな流れで見る必要性を感じることができます。
FT100はGMOクリック証券のCFD口座で取引可能
ハードブリグジット騒動で、まだポンド(GBP)は下がる可能性もありますし、となるとイギリス株価指数FT100はまだ上がる可能性もあります。ここまで上昇トレンドのFT100、上昇トレンドにかけてみるのも悪くはないかもしれません。
FT100はGMOクリック証券のCFD口座での取り扱いがあります。CFDは株や商品のFX版とも言うべき存在。レバレッジがかかるので投資の中~上級者向けとはなりますが、リスク管理をしっかり行えば、株や為替以外にも収益機会をとらえることができます。管理人としては、数日程度のポジションを持つ中期のトレード向きと考えています。
GMOクリック証券のCFD口座は金や原油(OIL)と言った商品の取扱いもあるので、口座を開設しておくと、様々な投資機会を得ることができます、既にFXトレードをされている方であれば、トレードの幅を広げることができますよ。
まとめ
イギリスのEU離脱、所謂ブリグジット問題、2017年もまだ騒動は継続しそうです。けどハードブリグジットの方向になるとは、管理人も全く予想してませんでした。ま、EU離脱事態も外していますけど。。。
けどハードブリグジットとなるとスコットランドの独立問題もすぐ再発しそうな感もあり、2017年もイギリスはアメリカのトランプ大統領とともに金融市場の波乱要因となる可能性があります。
かつて大英帝国と言われ世界の海を支配したイギリスですが、今まさに歴史の転換点にいるのは間違いありません。イギリスが今後どんな方向に進んでいくのか、2017年は世界史という観点からも非常に重要な年となりそうです。
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