ブレグジットの日程を確認、2019年3月29日が離脱予定日

北アイルランドの帰属問題はイギリスのアキレス腱、EU加盟中は問題が生じなかった北アイルランド帰属問題が、イギリスのEU離脱=ブレグジットに影を落としています。

10月17-18日のEU首脳会談でブレグジットについて最終合意を予定していましたが、イギリスがちゃぶ台返しを行い、土壇場で最終合意が見送られました。

来年3月29日に迫るイギリスのEU離脱。移行期間=激変緩和措置を設けるソフトブレグジットとなるか、ケツをまくってイギリスがEUから出ていく形のハードブレグジットとなるのか、今後の交渉の行方に注目です。

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ブレグジットの交渉が迷走中

しばらく米中貿易摩擦が賑やかで海の向こうのヨーロッパの出来事は、日本は殆ど報じられていませんでした。しかしヨーロッパでは、イギリスのEU離脱=ブレグジットの交渉が迷走しています。

久しぶりにニュースで出ていましたが、絶賛迷走中。改めて確認してみるとブレグジットは移行期間の有無はさておき、実は来年3月に実施されます。早いもんですねー。

イギリスでEU離脱を巡る国民投票が行われたのが2016年6月、時の流れは速いものですね。

関連記事:さらば!イギリスがEU離脱を決定、為替他の今後の影響を予想

自分の記憶の整理をかねて、今後のブレグジットの日程について改めて確認してみるとします。

ブレグジットの今後の日程

イギリス側が迷走しているので、当然変更の予定はありますが、10月19日段階でのブレグジットの日程は下記となっています。

・10月17-18日 EU首脳会議でブレグジットの最終案が合意予定だった(過去形)
→イギリスとEU側で合意に至らずクリスマス(12月25日)まで最終合意期限を先延ばし

・12月のクリスマスまでがブレグジットの最終合意期限
→12月13-14日EU首脳会議で合意の可能性も

・2019年1月末まで EU全加盟国によるブレグジットの離脱案承認期限

・3月29日 イギリスのEU離脱(以下は、移行期間の設置で合意の場合)

・3月30日 移行期間の開始

・2020年12月31日 移行期間終了、完全にイギリスはEUを離脱(1年延期論も浮上)

実は相当タイトな日程でブレグジットの交渉がなされています。本来なら10月17-18日のEU首脳会談でブレグジットの最終案が合意され、後は粛々と移行期間付きのブレグジットに進むと思われていました。しかしイギリス側がまとまらず“とりあえず”合意をクリスマスまで先延ばし。元々こんなこともあろうかと“プランB”の12月13-14日のEU首脳会議での最終合意案があったのですが、プランBが発動されることになりました。

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移行期間の有無がポイント

EUとイギリスで揉めている原因は後述しますが、最終合意がないままにブレグジットが決まると、要はイギリスはけつをまくってEUから離脱します。

当然、はいさよなら、という事なのでそれまでEUに加盟して受けていた関税等々の恩恵は、一切受けられなくなります。それだけはやめてくれ、と言っているのはイギリスの経済界。

特にロンドンはヨーロッパを代表する金融都市としてやってきたので、何の移行期間もなくイギリスがEUから離脱すれば、一気にパリやフランクフルトにヨーロッパの金融都市代表の座を奪われかねない、という懸念があります。

いわゆるソフトブレグジットと言われている路線で、現在のイギリス・メイ政権も基本的にはソフトブレグジット路線でEU側と交渉をしています。

しかしながら、国民投票でブレグジットは決定したのだから条件交渉も何もなくケツまくればいいじゃないか、というハードブレグジット論もイギリス国内では支持を集めています。

既にイギリスはEU離脱のための手切れ金として昨年12月に371億ポンド(約5.3兆円)の支払いを決定。この段階で既にハードブレグジット派は怒り心頭な訳ですが、もうEUの規制にコリゴリのハードブレグジット派は、一刻も早くEUから手を切りたい状態。

メイ首相を支えるはずの保守党も、気付けばハードブレグジット派が強くなっています。10月のEUとのブレグジットの最終合意に至らなかったのは、ハードブレグジット派の説得のためメイ首相が土壇場の所でEU側との交渉のテーブルをひっくり返した形です。

そんな訳でクリスマスまでにEUとイギリス側でブレグジットの最終合意が出来れば、少なくとも2020年12月31日までは移行期間という激変緩和措置を設けてのブレグジットとなります。そしてもしEUとイギリスでブレグジットについて合意できなければ、イギリスは、さらばじゃー、という形で3月29日に完全にEU離脱をします。

元々スラッとしていたメイ首相でしたが(内務省時代はえらくオシャレで目立ってた)、やはり心労が絶えないようで、久しぶりにお姿を見たらふくよかになっていた・・・。

問題の核心はアイルランド国境問題、EUも随分と譲歩しているが・・・

イギリスとEUとのブレグジットを巡る交渉で、揉めに揉めているのがアイルランドとの国境問題。

アイルランドはEUに残留する訳ですが、イギリスは北アイルランドを抱えています。イギリスは北アイルランドの帰属を巡り、長く悲惨な歴史を送っています。北アイルランド独立派によるテロ事件が20世紀末までイギリスで発生しており、多くの犠牲者を生んでいます。

これまではEU加盟下でイギリス=北アイルランドとアイルランドは国境が殆ど意識されない状況でした。そして大過なく過ごしてきた訳ですが、ブレグジットにより再び北アイルランドとアイルランド間に国境が設けられると、経済的な交流が途絶えるという問題よりも、再び北アイルランド帰属問題が生じかねません。

イギリス側の懸念は“もう北アイルランド紛争はこりごり”という部分にある訳ですが、EU側は当初、知らんがな、というスタンス。しかしさすが歴史に学ぶヨーロッパ、EU側も折れてきて、イギリス全体を一時的に関税同盟に残す=北アイルランドとの国境復活はひとまず見送り、という所まで譲歩。EUも随分譲歩したなー、と思っていたのですが、イギリスのハードブレグジット派が、ブレグジットの意味ないじゃん、と反発して10月の最終合意が頓挫しているのが、今の状態。

問題が迷走しているのは、イギリスのメイ政権は北アイルランドの民主統一党(DUP)が閣外協力していて、DUPの協力なしには法案を成立されられないため。そのDUPはゴリゴリのイギリス主義の政党。(北アイルランド問題、北アイルランド内で独立派とゴリゴリのイギリス派がいてホント複雑)

DUPは北アイルランドの国境復活に大反対で、完全にメイ政権はまたさき状態。自分の所=保守党内、だけの問題なら力業もつかえそうなもんですが、他人=DUPも巻き込まざるを得ないのでメイ政権は迷走気味です・・・。

時間切れだとハードブレグジットに自動的になりますが、さてクリスマスまでにイギリスとEUはソフトブレグジットで合意できるのか、相当危ない橋を渡り始めています。

まとめ

簡単にまとめるつもりが、やはり簡単にはまとめられない!ブレグジット問題、足元は北アイルランド問題という、イギリスが最も触れたくない近現代史の問題に直面している状態です。

EUもイギリス全土の関税同盟残留、という思い切ったカードを飲んだ(元々イギリス側の提案)のですが、肝心かなめのイギリスがまとまらず、いいかげんにしてくれよ・・・、という雰囲気。EU側もさすがに北アイルランド紛争の暗い歴史を知っているので、ギリギリの所まで譲歩したと言えるのですが・・・。

最終的にどんな形でブレグジットを迎えるのか、タイムリミットはクリスマスの12月25日。今度イギリスとEU側でどのような交渉が持たれるのか注目です。

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