ブレグジット問題で2度目の国民投票の可能性が低いと考えられる簡単な理由

イギリスのEU離脱=ブリグジットを巡り、再度国民投票を行おうとする機運が現地では盛り上がっているようです。

しかし再度の国民投票には高いハードルが存在します。それはEU側が待っていられない可能性が高い、という点。国民投票の実施には半年程度の時間が必要ですが、EU側は3月29日の離脱を延期しても2~3ヶ月というスタンスです。

ブリグジットを巡り先の見えない状況となっていますが、再度の国民投票の可能性は低いのではないでしょうか。

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イギリスがEU離脱を巡り迷走中

2016年に国民投票でEU離脱を決定したイギリスですが、離脱の方法をめぐって迷走しています。現状のままだと2019年3月29日が離脱日となりますが、メイ首相がEU側とまとめた離脱案は1月15日イギリス議会で賛成202票・反対432票の大差で否決。Wスコアで否決され、メイ首相がまとめたEU離脱案は離脱賛成派・反対派のいずれも反対するという、総スカン状態です。

その後、野党・労働党の提出した内閣不信任案は否決され、今後もメイ首相が政権運営を行いEU離脱の道を進むことになりましたが、どのような道筋となるのか読めない状態です。

合意なき離脱=ハードブリグジットの支持は広がっていない

EU離脱に際して、合意なき離脱=ハードブリグジットは経済界の大反対及びイギリスの景気に対する影響が大きすぎるとして、声の大きい議員の賛成はあるものの、一般的な支持はそれほど広がっていないようです。

メイ首相は合意なき離脱の可能性もある、と表明していますが可能性は低そうな状態。まぁ、政治は一寸先は闇なので、あれよあれよと合意なき離脱になってしまう可能性はありますが。

合意なき離脱の場合、イギリスはEU側に371ポンド(約5.3兆円)手切れ金を払わずに済む(あまり報じられていませんが、案外大切な論点)というメリットはあります。しかし自己満足は得られても、経済的に見れば殆どメリットのない合意なき離脱は、可能性は低いと考えるのが合理的。

そんな中でにわかに浮上しているのが再度国民投票を実施する、という案です。

国民投票を実施するには半年程度の準備期間が必要

ここまで事態が迷走しているので、再度国民に決めてもらおう、というポツダム宣言受諾を巡りご聖断を2度仰いだかつての日本と似ているような状態となる2度目の国民投票です。

しかしイギリスの法律で国民投票実施には約半年の期間が必要となっています。前回の国民投票も半年近くの準備をへて実施した経緯があります。

今回もし2度目の国民投票を行うとなると、3月29日となっている離脱日の延期は必要不可欠になりますし、更にその延期も最低半年は伸ばす必要があります。

EU側は、3月29日の離脱日の延期自体はイギリス側からの申し出があれば考える、というスタンスですが、問題は半年も待てるかどうか、という部分にあります。

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EU側は半年も離脱延期は待てない可能性大、今年はEUの体制変化の年

今年はEUの体制変化の年に当たります。5月に欧州議会選挙があり、10月にECBドラギ総裁が任期満了、同時にユンケル欧州委員長も任期満了。そして11月にはEUトゥスク大統領も任期満了と、EU首脳陣が大幅に入れ替わります。

関連記事:2019年に予定の経済イベントまとめ

EU側もいつまでもイギリスのわがままに付き合ってはいられない、という状態です。交渉の相手方も秋には殆ど入れ替わってしまうので、任期の最後にめんどうなことはしたくない、という心理も当然あるため、EU側の言っている離脱延期は2~3ヶ月程度、というお話は、そうなるよね、と思わざるを得ません。

秋にEUが完全に新体制が発足したら再交渉、というシナリオも考えられますが、そうなるとEU側の布陣次第でイギリスはまたゼロベースで離脱交渉する必要が生じかねません。

よって現在の体制下(イギリスとEU双方)でイギリスがEUから離脱する、という観点ではEU側の事情もあり、そんなにノンビリ待ってられない状態です。

そんな訳で仮にイギリスが2度目の国民投票を決定した場合でも、EU側の事情で時間切れとなる可能性があります。交渉は相手のいる話であり、交渉の相手方が時間がない、と言っているので仮にイギリス側が2度目の国民投票を行った場合でも、投票結果のいかんにかかわらず時間切れで自動的に合意なき離脱、なんて可能性もあったりします。

当然、国民投票を実施する法律変えて1~2ヶ月で実施できるようにしてしまえばよいのですが、ともあれ現状のままだと、国民投票をやっていると時間がかかりすぎ時間切れとなる可能性が高いので、個人的には2度目の国民投票なないのではないかな、と考えています。

まとめ、1月21日(月)も要注意

イギリスの議会でメイ政権のEU離脱案は否決されましたが、メイ首相は1月21日(月)までに新たな離脱案を議会側に説明する必要があります。

関連記事:ブレグジットの日程を確認、2019年3月29日が離脱予定日

そんな訳で21日(月)の金融市場は荒れる可能性があるので(15日のように大山鳴動して鼠一匹の可能性も当然ありますが)、ご注意ください。

合意なき離脱はどうにかさけられるのでは、という楽観論が広がっている感もありますが、まだ何も確定していません。

3月29日のEU離脱に向けイギリスはどんな方向に行くのか、当分目が離せそうにありません。

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