沖縄に進出を表明していたUSJが、残念ながら沖縄進出撤回を検討の様子。
昨年のIPOを見送り、親会社が変更し経営体制が変わったUSJ。懸念されていた沖縄進出は残念ながら撤退、と言うことになる可能性が。各方面を巻き込んで、撤退戦も一筋縄でいかない可能性のあるUSJですが、資金計画の裏付けに乏しい沖縄進出計画を振り返れば、やっぱり・・・、という思いがあります。
USJが沖縄進出撤回を検討
個人的にはやはりなぁ、と思ったUSJの沖縄進出撤退の観測記事。今朝(2016/2/18)の日経新聞に出てました。
「USJ、沖縄進出撤回を検討 採算見込めず 」(2016/2/18日本経済新聞)
採算が見込めないから、やっぱり沖縄進出やめます、ということになりそうです。
USJ側の事情としては採算の問題もありますが、昨年秋に親会社が変わっており、経営体制が一新されています。そして新経営体制の下で改めてUSJの沖縄進出の是非を検討したところ、やーめた、ということになりそう。
ヒドイ話だ!、と思う向きもあるでしょうが、これまでのUSJ側の発言等を見ていると、沖縄進出を検討する、とは言ってますが、沖縄に進出する、と断言はしていません。
その辺りはさすが外資系の企業なので、変に尻尾をつかまれるようなことはしていません。悪く言えば、周りが勝手に騒いでいただけ・・・、と言えなくもありません。
USJとすれば、沖縄進出を検討する、とは言ったけど、沖縄に進出する、とまでは言ってませんよ、ということになります。ついでに言えば、親会社が変わったので、経営方針も変わりました・・・、ということになります。
元々資金計画が不明のUSJの沖縄進出計画
管理人が、USJは本当に沖縄に進出するのかなぁ、と以前から思っていたのは、沖縄進出のための資金計画が一切出てこなかったため。一番初めにUSJが沖縄進出を検討、と表明した時は、まだUSJはIPOを目指していましたが、大前提としてIPOの場合でも公募=新たな資金調達はしません、ということだったので、ではお金は一体どこから出るの・・・、と思いました。
その辺りのいきさつは、過去に記事にしているのでそちらをご覧ください。
テーマパークを1つ作るのには莫大なお金がかかる訳で、途中からUSJが運営する滞在型リゾートに方向転換した訳ですが、それにしたって設備投資が必要とされるお話。
お金の話が出てこないよなぁ、と思っている内に、USJは親会社が変わり、沖縄進出についてはゴニョゴニョ言うようになり、そして撤退を検討・・・、という流れになっています。
やはりお金の話がついてこないと、物事の実現性は分かりません。USJの沖縄進出騒動を見ていると、それを再認識できます。
ちなみにUSJの沖縄進出計画、以前計画していたIPOの為の打上げ花火ではないかなぁ、とチラと思ったりもしましたが、その辺りの真偽は分かりません。
新しいテーマパーク作るのにはとんでもないパワーが必要
採算がとれるかどうか分からないテーマパークを作り上げるには、とんでもないパワーが必要。正直、お金の話は出てこないし、仮にお金の話がついたとしても、スタンスが定まらないUSJが無理に沖縄進出してもうまく行くとは思えません。
日本で言えば東京ディズニーは京成電鉄から来た創業メンバーのパワーは有名ですし、USJにしても、良くも悪くも大阪市が立ち上げは全面的に面倒を見てきました。そーいった、パワーがないと、なかなかテーマパークは完成しませんって。
USJを振り返れば、一旦上場したものの、客足が伸びずにゴールドマンサックスが一旦非上場化して、再度テコ入れしてここまで持ってきています。USJの沖縄進出計画、新たに親会社となったコムキャストが全面的にバックアップしない限り、そう簡単に話が前に進むとは思えません。
まぁ、これだけ周りに期待させてしまっているので撤退戦は非常にシンドイ事態が待っていそうですが、それは自業自得。打ち上げ花火は当然後片付けが必要ですので。ついでに言えば、外資系の企業なので、担当者はサクッと辞めてしまい、文句を言う相手すらいない・・・、何て事態もありえます。
だけど大阪のUSJは人であふれているらしい
管理人は久しくUSJに行ってませんが、最後に行ったのは2年前。もうその頃は、その前に比べると段違いに混んでいましたが、今もUSJはお客さんであふれているようです。年間パス持っている知人がファミリーでしばしばUSJに行っていて、何時も大混雑に付き合わされる・・・、とぼやいていますので。
聞いてみれば外国人ばっかりじゃなくて、日本人観光客も大勢いるそうです(駐車場が目茶目茶混んでるらしい)。ふーん、心斎橋とは違うんだ(心斎橋は外国人観光客の一大スポットとなってます、その昔毎週のように通っていたので、その変貌ぶりには驚くばかり)。
お客さんであふれかえっているUSJ、IPOも必要なくなったのであれば、無理に新しい事しなくても、全然OKです。今のUSJのメンテ程度でお金がザックザック入ってこれば、何も言うことはありません。
東京ディズニーに比べるとUSJは拡張の余地がない、と言われますが、USJは上場していないから事業拡大する必要ないし、と言い切ってしまえます。
ただねテーマパークの運営って、大前提でミズモノ。東京ディズニーはネズミさんの魔法に見事に日本人がかかってリピーター続出ですが(その魔法、中国人には現地でうまくかかっていないらしい・・・)、USJにその魔法はありません。
USJだって、上場後ジリ貧になって上場廃止になったのは2009年なので、まだ6年しかたっていません。今は人であふれかえるUSJですが、今後も今の状態が続くかどうかは、誰も分かりません、正直な所。
大阪のUSJは人であふれかえっているらしいです
まとめ
USJとしては、何も決定した事実はありません・・・、というIRがお決まりのように出てくる感もありますが、新聞でここまで書いていると、まぁ方向性としてはそういうことなんでしょう。
少子高齢化で人口減少の日本でテーマパークを新しく作ろうなんて、そう簡単にはできませんって。外国人観光客の誘致、と言うのは簡単ですが、現在のインバウンド消費をバブルと考えれば、ピークの真っ最中に設備投資を行う判断はとてもじゃないですが、怖くてできません。大阪の心斎橋とか見ると、外国人観光客バブルだよね・・・、と思ってしまうので。いや、これは以前の光景に郷愁を感じる管理人の目が曇っている可能性もありますが。
いずれにしてもUSJの沖縄進出はどうやら白紙、ということになりそうです。テーマパークの運営は簡単じゃない、と言う点と、やはりお金のはなしがついてこないと物事の実現性は分からない、という点の2点を再認識したニュースとなりました。