中国株の下落で中国人の爆買いの問題が顕在化か?

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 中国株の下落が間接的に日本経済に影響か?特に中国人観光客の爆買いで潤ってきた小売業の今後はどうなる?

 中国株の下落が止まりません。先週「中国株の記事」を書いた時から更に下落。海外市場とは切り離されている中国の株式市場。今週の日本株下落は、ギリシャ問題の影響で、中国株の影響ではありませんが、中国株の下落、間接的に日本経済に大きな影響があるかも。遂に中国人観光客の爆買問題が顕在化の可能性も。(2015年7月14日更新)

15.6.30上海指数-min
下げ止まらない上海株(Trading Viewのチャート)

中国株の下落で中国人の爆買いの問題が小売業で顕在化?

 消費税アップ後の日本経済、株価は上がっていますが、正直なところそれ程、景気が良くなっているとは思えません。景気が今ひとつでも何とかなってしまうのが、日本経済の成熟した所なのでしょうが、その今ひとつと感じる日本人の景気で一人気を吐いていたのが、外国人旅行者、特に中国人観光客の爆買い。

 デパート、ドラッグストア、そしてお土産さんに至るまで、小売業は中国人の爆買いの恩恵を広く受けてきました。奇しくも、景気が悪いと一番直撃を受ける業種が、爆買いの恩恵を受けている形に。

 テレビで放送される中国人の爆買いを見るまでもなく、観光地での中国人の買い物パワー見てるとホント圧倒されます。中国人観光客の一大観光スポットとなった大阪の難波、そこにあるドンキホーテ難波店が、何と新宿店を抜いて圧倒的な売り上げナンバーワン、というのがその一端を物語っています。

 そして中国人の爆買いがなくなってしまうと、爆買いで一息ついていた小売業の景気が一気に左前になる可能性が。普通の買い物ではなく、まさに爆買いなので、それがなくなった時の影響は、非常に大きいものになると予想されます。

 参考までに、下記記事でいわゆるインバウンド銘柄の一覧を作ってみました。

「何かと注目のインバウンド銘柄一覧」

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なぜ中国人は海外旅行と爆買いが出来たのか?

上海株は過去1年で約2倍に上昇した。住宅価格が下落するなか、株高による資産効果が輸入車購入や海外旅行などの高額消費を支えてきた。(15/6/27日経新聞)

 売買の6〜8割を個人投資家が占めているのが中国の株式市場。

 株の上昇でタップリ儲かった中国人個人投資家、その儲かったお金で海外旅行や高い買い物、その両方を行ってきた訳です。

 日本のバブル景気の頃を思い出せば、感覚的に分かりますね。え?思い出せない・・・。バブルの頃、日本人が世界中を旅行して買い物しまくってたのテレビでタマにやってたりしますが、あーいうのです。

 株で儲かると海外旅行と高額消費というのは、日本人も中国人もあまり変わらないのではないかと。

中国人投資家は信用取引がお好き

中国(上海と深圳の合計)の信用取引残高は25日時点で2兆1784億元(約44兆円)。1年で5倍に膨らんだ。(15/6/27日経新聞)

 株価上昇の中、中国人個人投資家の信用取引残高が急上昇というのは、株価の上昇→信用取引で更に買い→株価の上昇→信用取引で更に買い→・・・、という回転が行われている状態。

 更にスゴイのが下記記事。

加えて中国は統計に含まれない違法な信用取引が相当存在する。担保に対して最大10倍と政府が認める信用取引に比べて多くの借り入れが可能でよりリスクが高い。(15/6/27日経新聞)

 日本では考えられませんが、中国には違法な信用取引が存在。簡単に言えば、違法で例えば1万円で100万円分の取引というハイレバレッジな取引が可能。
 ハイレバレッジの取引、うまく回転している時はよいのですが、逆回転したらどうなるか。この辺りはリーマンショックで世界各国が身にしみています。

 そして日本人と中国人の違いは、中国人は案外別の財布が大きい所。日本人の場合、基本的にお給料があって、そこから貯金して株に投資して、ということになり、その額は限られますが、中国人は副業等で別の財布(それも結構デカイ)を持っている方が多いです。そして株の投資資金は別の財布から出ているケースが多いようです。
 
 大きい別の財布に信用取引でレバレッジかけて株のトレードして結構儲けている、というのが中国人投資家のイメージ像の1つではないかと。

 ちなみに歴史的を紐解けば、政府の方針一つで身ぐるみ剥がされてしまう中国人。別の財布を持つというのは、リスク管理の歴史的伝統とも言えます。

まとめ

 中国人観光客の爆買い、客観的に見て、バブルと思っている方も多いのでは?バブルって当事者は認めにくいのですが、あまり関係ない人は冷静に見れますので。その意味では多くのの日本人は当事者ではないので。

 中国人観光の爆買いバブル、原因は中国株バブルだった、ということで、中国株バブルの崩壊とともに泡と消える可能性が。

 元々日本のGDPの6割は個人消費。中国人観光客の爆買いはボーナスのようなものと考えれば、丁度よいのかもしれません。ボーナスを大幅にあてにして、住宅ローン組まないように。

 中国の株式市場は信用取引の比率が高く、株価が一旦下がり始めると、一気に逆回転が始まるリスクがあります。そして海外市場から切り離されているとは言え、実は観光客の買い物を通じて、間接的に日本経済と繋がっている中国株。

 中国人の爆買いで恩恵を得ていた日本のいわゆるインバウンド銘柄、今後の行方が気になります。

「中国経済と中国株の記事」まとめページ作りました!
「中国経済及び中国株の記事まとめ」

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