中国の景気悪化で、中国のスマホ市場が失速。
苦しい経営が続いているシャープとJDI(ジャパンディスプレイ)。両社ともに業績は、中国のスマホメーカーに左右されるところ大。しかしながら、そのお相手が変調をきたしつつある様子。
シャープやJDIの今後の株価や業績の行方やいかに?
小米(シャオミ)のスマホも遂に失速
スマホも14年に首位に立った小米の快進撃に陰りが見えてきた。1~6月の販売台数は前期比33%増。14年に前年の3倍強も販売を伸ばした勢いはすでになく、同期のシェアは3位に転落した。(日本経済新聞2015/8/7)
中国の景気悪化は既に各方面で言われていますが、遂にその影響がこれまで絶好調だったスマホ市場にもやってきた、ということ。
しかし小米(シャオミ)は2014年度が前年3倍教も出荷台数を伸ばしていたとは、今更ながら驚き。小米と言えば、2010年設立の会社で中国のアップルとも言われ、急成長を遂げましたが、さすがにここに来て失速。
小米がスマホの液晶をシャープからJDIに乗り換えたのが、シャープの再度の経営危機の発端となっていますが、小米の失速、JDIもウカウカしてはいられません。
ちなみに小米はあくまでも中国のスマホメーカー。その理由は下記の記事を見ると分かります。
『中国の雄・小米 一流部品で高品質も「模倣」の域出ず』(日経テクノロジー)
小米のスマホはこんな感じ
中国スマホ市場も成長鈍化へ
2ケタ成長を続けてきた中国のスマホ市場は、上位メーカーの失速で、15年は初めて1ケタ成長の4億台の前半程度に鈍化する見通しだ。(日本経済新聞2015/8/7)
失速したとはいえ、市場自体はまだ拡大している中国のスマホ市場。
ただし既に先進的な生産計画や在庫計画を行っている日本メーカーとは違い、中国のメーカーはこれまで行け行けドンドンでやってきている面があり、その点は注意が必要。
自動車やスマホの上位メーカーが市場平均より販売が振るわない背景には、今春まで続いた激しいシェア争いの後遺症がある、各社は販売の実態事情に生産能力を増やし供給能力を高めることで、世界最大市場で競争優位に立とうとした。上位企業ほど焦りは強く、シェア確保へ増産を急いだ。~生産調整まで強いられる悪循環が起き、市場の落ち込み以上に厳しい状況に陥っている。(日本経済新聞2015/8/7)
いくら図体がでかくなったとはいえ、まだ組織としては未熟な面もある中国のスマホメーカー。これまでは倍々ゲームで、販売量ありきで在庫を増やしてきましたが、販売増が無くなれば、これまで以下の仕入れにならざるを得ません。
そう考えると例えば、小米のスマホに採用されているJDIの液晶。小米のスマホの販売量が横ばいとなると、JDIの小米向けの液晶の出荷量は減少せざるを得なくなります。
遂にスマホ成長時代の終了か?
実は既に2年前に言われていた世界のスマホ市場の成長終了。考えてみれば初代のiPhoneが発売されたのが2007年。それから8年で、一気に世界中にスマホは普及しました。既に先進国は行き渡った状態。で、この状態をもってスマホ成長終了の終了か、と一時言われたのですが、そこに急速に立ち上がったのが中国のスマホ市場。その中国のスマホ市場の急成長のお陰で、スマホ市場の成長は何とか支えられてきた訳です。
世界的に見ればアフリカ他で、確かにスマホがまだ普及していない地域もありますが、人口の多さ+スマホを変えるだけの個人の経済力、という観点で考えると、中国を超えるほどの市場はもう世界中を探しても存在していません。
そう考えると、2年前に言われていたスマホ市場の成長の終了、中国のスマホ市場の失速によって、遂に現実のものとなる可能性があります。
スマホ依存型企業にはシンドイ時代が到来
世界的なスマホ市場失速となると、困ってしまうのはスマホ依存型企業。代表例はサムスン電子。サムスンはスマホの次はどうする?、と言われつつ、中国市場でスマホのシェアを伸ばし何とかやってきましたが、遂に何年来かの課題、スマホの次はどうするよ?、という問題に真剣に向き合うことになりそう。
そして日本勢で言えば、やはりシャープとJDI。スマホの部品メーカーの村田製作所やスマホ製造機器を製造しているファナックも影響があるでしょうが、経営の浮沈がかかっているという観点ではシャープとJDIが右代表。
シャープは早速第1四半期で赤字計上。再建計画はスタートから、いきなりつまずいています。
シャープの株価
シャープの株価については、下記で分析と予想をしています。
「シャープ株価の今後の見通し、142円の攻防に注目」
JDIは8月7日発表の第1四半期は期初計画通りに推移していますが、果たして今後どうなりますか。
JDI(ジャパンディスプレイ)の株価
JDIの株価については、下記で分析と予想をしています。
まとめ
アップルを見ているとよく分かりますが、結局の所、IT業界はスマホと液晶タブレット以降、コレと言ったヒット商品を生み出せていません。スマホもそろそろ頭打ちか、と言われていましたが、思わぬ中国市場の急拡大で何とか成長市場としての位置を保っていた状態。
中国市場の急成長で何とかなっていたスマホ市場ですが、市場の成長が止まれば、その次に来るのは他の市場同様、再編のステージ。今後スマホ業界はm市場再編の時代がやって来る可能性が高そうです。当然、淘汰される企業も出てくるでしょう。
日本の企業で言えば、気が付けばスマホに依存しているシャープとJDI。そして両社ともに、既に体力を消耗済みで、スマホ市場の減速、両社への影響が懸念されます。
果たして今後の中国のスマホ市場はどうなってしまうのか?そしてその影響は?中国のスマホ市場、日本にとって他人事とは言えない状況。今後も注意が必要です。
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