シャープが減資へ、生き残りの為なりふり構わず中小企業に

 シャープが減資へ。倒産を回避し生き残りの為、なりふり構わず中小企業になるようです。

 シャープが減資か?、という報道が話題になっています。お決まりのように、シャープは決定した事実はありません、と公式コメントを出しています。

「<シャープ>「出直し」躍起 中小企業化、資本金で累損一掃」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150510-00000008-mai-bus_all

 けど減資減資と騒ぐでない。減資自体は決算書の貸借対照表の括り変え、簡単に言えば模様替えのお話、寧ろそこまで腹をくくった(くくらざるをえない?)シャープの苦境と覚悟、そしてその後はどーするのさ、という部分がポイントかと。

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減資の大きな勘違い、株主は損も得もしません

 減資と聞くと、株主が損をする話ではないか、と感覚的に思ってしまいますが、実は減資自体は株主にとって得にも損にもならないお話。減資は貸借対照表の資本の部の括りを変えるお話・・・、と言っても今ひとつピンと来にくいので、下記に例を示してみます。

資本金100
資本剰余金100
利益剰余金100
=資本の部(純資産)300

 シャープの資本金が100で、資本の部が合計300あったとします。増資で株式を発行して資本金を増やす場合、殆どのケースで資本金と資本準備金を半分半分にして増やします。だから資本金と資本準備金がほぼ同じ数字という会社が多いです。だからこの場合、資本準備金も100。

 そして会社の蓄積した利益は株主のもの、というのが株式会社の考え方なので、これら3つを合わせた「資本の部」が株主の会社の持分と言えます(いわゆる純資産)。株に対する会社の価値を考える時は、この純資産が基準になります。
 上場株式だとPBR何倍、という表現がありますが、1株あたりの純資産と比べて、何倍の株価がついているか=株式市場からどれくらい評価されているのか、というお話です。

 ちなみに1株あたり純資産100円で、株価が50円だと、事業をやめて会社清算して現金化すれば50円の株を買うと、100円貰える計算になります。理論上のお話ですが。

 そして上記の資本の部のイメージで、シャープがやろうとしているのは・・・、

資本金1
資本剰余金199
利益剰余金100
=資本の部300(純資産)

と、いうもの。
 減資で資本金を1にしても、要は資本の部の入れ替えのお話なので、減った99は資本準備金になります。99はどこかに行ってしまう訳ではありません。そして株主の会社に対する持分である純資産は、減資前と後では変わりありません。

 そうなんです、だから減資自体は株主にとって損にも得にもならないお話。減資、と聞くとギョッとする方が多いですが、減資自体は驚く話ではありません。

 なんでそんな面倒なことをするかと言えば、赤字で利益剰余金や資本準備金を食いつぶしてしまうと、資本金自体が減少してしまうため。資本準備金というクッションがないと、そもそも配当すら出せません。だから赤字が積み上がってくると、赤字が資本金を侵食する前に、減資をして資本準備金を厚くしようとするのは、これもよくあるケース。
 シャープの今回の減資報道、赤字の会社という観点では、ありがちな減資のお話です。

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減資は資本の部を触る話なので株主総会での決議が必要

 純資産自体に変化はない減資ですが、とは言っても、資本構成を変更する話。増資の際に、半分を資本金、半分を資本準備金に入れる、と言って会社は投資家=株主からお金を集めているので、純資産に影響はないとしても、最初の話と違ってくるので、株主総会での議決が必要。
 
 減資→株主総会、すわ一大事、というイメージですが、減資での株主総会だけなら、そんなに大きな話ではないんです。

 ただし減資自体は、そんなに問題はないにせよ、大半の場合は減資と増資はセット。減資を行って資本の分をきれいにして、その上で今後の為の資金調達を増資で行う、といったように。
 過去1株10円で株を発行していたのに、減資の決議の後、増資の決議も一緒に取って、その時の予定発行株価1円とか、ザラにあります。

 シャープの場合、減資の報道はありましたが、増資の報道はされていません。ただし銀行がデッドエクイティスワップ(DES:銀行の貸付金を株に振り返る)を行うようなので、恐らく銀行のDESとセットではないかと。DESも貸借対照表の借入金を資本金に振り返る、帳簿上のお話ですが、ただし銀行が1株いくらでシャープの株を受けとるのかは要注目。
 ただ銀行は規制があって、そんなに多くは株数持てないので(5%がMax)、極端な株価にはならないと考えられます。

 シャープの株価がどうなるのか、純粋にチャートだけ見ての分析は下記で行っています。(3月時点での分析ですが)
「シャープ株価の今後の見通し(2015年3月18日版)」

 そして今日のシャープの株価は下記。

面子も捨てて最後の戦いに挑むシャープ

 ここの所のシャープの動きを見ていると、もうなりふり構っていられない、生き残りのために腹を括った、と感じます。液晶と運命をともにする覚悟を決めたのではないかと。
 そんな内容の記事は、先日書いているので、そちらをご覧ください。

「シャープの2015年リストラ、液晶でJDIと最終決戦を決意!」

 けど今回の減資の報道、本当にシャープも生き残りのためになりふり構わずやっていくんだなぁ、と思いました。資本金1億円以下になれば、そりゃ確かに税務上のメリットがあるとはいえ、シャープクラスの大企業、面子というのもありますから。けど生き残りのために、もう面子には構っていられない、ということでしょう。

 なりふり構わず、生き残りのための最終決戦に挑もうとしているシャープ。勝算は分かりませんが、生きるか死ぬかの覚悟を決めたシャープ、今後どんな展開が待っているのか、非常に興味深いです。全精力を液晶に注いで、他の事業を売却してでも資金を捻出して・・・、可能性無しでは無さそうです。

 欧米型のスマートな経営が流行の昨今、実は大阪南部のコテコテな関西企業のシャープが、本気でベタに死に物狂いになったらどうなるのか?今後のシャープの一挙手一投足に注目が集まりそうです。

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