連休の間にニュースでUSJが沖縄進出を検討というのが出ていました。業績絶好調のUSJ、現在の敷地は手狭になりつつあり、かといって拡張の余地も殆どないため、沖縄に第二のUSJ建設を検討、ということのようです。
果たしてUSJの本気度はいかに?秋にも再上場が噂されているUSJ、沖縄進出の本気度は、結局ナンボ投資するの?、というお金の話になってくるのでは?
概要
USJが沖縄に新パークの支援を要請
USJの沖縄進出の報道を見ていると、USJのガンベル社長と翁長沖縄県知事が7月17日(金)に会談しています。冷静に各記事を読むと、要はUSJは沖縄に進出する計画があるので、今後ひとつ支援してください、とお願いしました、ということ。
結構先走っている記事もありましたが、結構冷静なのは日経新聞。
他紙だと、2016年に着工で、2020年の東京オリンピックの年に開業を目指す、という記事もありましたが、日経新聞だと「具体的なパークの概要などについては明らかにしなかった」とあります。
日経新聞の取材不足の可能性もありますが、記事を盛るのはある意味簡単なので、保守的な記事をベースに当サイトは記事を書いていきます。
沖縄USJの場所(候補地)は美ら海水族館周辺?
既に沖縄USJの場所は、美ら海水族館の近く、との報道もなされています。
ただ場所についても、今回USJ側は明言を避けています。
USJの沖縄の新施設は「ユニバーサル」ブランドを使わない予定
案外面白いのは、沖縄でUSJが計画している新施設は「ユニバーサル」というブランドを使わないと明言している点。
コレは恐らくロイヤリティー対策。オリエンタルランドが「ディズニー」のブランド使用料が毎年結構かかっているのは有名な話で、「ディズニー」ブランド使わない商売の立ち上げに苦労している訳ですが、USJ側も同じような事情ではないかと。
アメリカのユニバーサルスタジオとは別法人の日本のUSJ、独自でブランド立ち上げて商売すれば、アメリカのユニバーサルスタジオにブランド使用料払わなくても良い訳で、商売としては十分理由は分かります。
けどオリエンタルランドもディズニーブランドを利用しない商売の立ち上げに苦労している中、結構簡単な話にはなりません。
そして、沖縄USJのテーマは「南国」!
USJが、「ユニバーサルスタジオ」」と言わずに、沖縄で「南国リゾートでのリフレッシュ」のテーマパークを立ち上げた場合、頼るのはユニバーサル・スタジオの映画キャラではなく、「妖怪ウォッチ」になるのか(笑)。まぁこれは半分冗談としても、沖縄のUSJは映画映画した施設、ということではなさそうです。
沖縄USJの新施設の建設費はどこから捻出?
ユニバーサルのブランドを使うか使わないかはさておき、一番大切なのは建設資金どうするのか?、と言う点。
USJの建設費は1,700億円かかっています。ちなみにハリーポッターのエリアだけで、追加の建設費450億円。単純計算でUSJの建設費約2,150億円と言ったところ。
沖縄のUSJの新施設は、単純にUSJの約半額の1,000億円の投資として、未上場企業のUSJにとってはこの1,000億円をどうやって捻出するかは、最大の課題。
今の段階は、沖縄に進出する予定があるから、ひとつよろしく、という段階ですが、プロジェクトが具体化した時点で、このお金の問題が途端に出てきます。
USJの秋の再上場時に資金調達するのがベストシナリオですが・・・
ちょうどタイミングよくUSJはこの秋にも上場を予定しているようです。
そんな訳で、上場時に公募を行って資金調達して、その資金でもって沖縄の新施設を建設するのがベストシナリオ。もうファイナンスの常道です。
ただね、USJは上場の際は公募をしないと明言しています(上記記事を参照)。要は既存株主の売出しのみ。USJが上場しても、USJの懐には一銭のお金も入りません。
現在のUSJはゴールドマンサックス系のファンドの子会社。ファンドがリスクを取って、業績が低迷したUSJを非上場化して、漸く上場の芽が出て来たという状態。そしてUSJの再上場に際し、ファンドが売出で投資資金の回収をしようとするのは何ら問題ありませんし、それが普通です。
ただし気をつけたいのは、このUSJの上場と沖縄進出はお金という面では、どうやら繋がっていない、という点。
再上場したUSJが沖縄に進出する!ってエクイティーストーリーとしては、上々ですが、じゃあそのお金はどうするのよ、という点は別問題。必要資金は銀行から借り入れるのか、それとも一番最初のUSJの時と同じく、役所の資金を当てにするのか?(USJは一番最初は大阪市の資金で建設されました、今では考えられませんが)
USJの沖縄進出、資金的な裏付けが見えないので、今後お金の問題をどう解決するのかが、結構見ものです。
上場時の資金が使えないとなれば、どこからか資金を引っ張って来なければいけません。それが出来なければ、所詮は絵に描いた餅。上場時のエクイティーストーリー=成長戦略に沖縄は組み込まれるも、お金の都合がつきませんでした、という結論だってありえます。
ただし、USJの親会社のゴールドマン・サックスは持ち株の大部分をユニバーサル・スタジオ・ハリウッドを傘下に持つ、米CATVのコムキャストに売却の方向のようです。ひょっとすると風向きが変わってくる可能性も。
関連記事:USJが再上場を延期、上場時期は2016年3~6月か9月以降となる見込み
まとめ
USJの沖縄進出、実は案外沖縄好きの管理人、非常に興味深い所です。美ら海水族館の近くにUSJの施設が出来たら、確かに行ってみたいかも。美ら海水族館、確かによい所ですが、あの辺りは美ら海水族館しかないので。(暇人だった管理人、沖縄の西海岸を北から南までドライブしたことがあります)
USJが沖縄で新施設作るとなると1,000億円近い投資が必要になりますが、今のところUSJの沖縄の新施設、お金の話は出てきていません。お金の話までUSJが持って行くのかどうか、ここでUSJの本気度が見えるのではないかと。ついでに言えば、USJの創世記の頃のように税金頼みは勘弁して欲しい所。
USJの沖縄進出、再上場のための打ち上げ花火にならないことを願っています。今後もUSJの再上場、そして沖縄進出には注目していきたいと思います。
2016/2/18追記:残念ながらUSJの沖縄進出は撤回、という方向になりそうです・・・