2016年11月1日から、利回り約10%の海外向けソーシャルレンディングの投資が1万円から可能になります。海外のソーシャルレンディング案件に特化していたクラウドクレジットが、投資最低金額をこれまでの5万円から1万円に大幅に引き下げ。合わせて顧客資産の分別管理として「預託金口座」も開設。
利回り約10%と高利回りながら、海外案件で既にソーシャルレンディング投資を手がける方からも敬遠気味であったクラウドクレジットの案件。1万円から投資可能で投資のハードルが下がり、お試しでの投資ができるようになることで、今後普及に拍車がかかる可能性があります。
高い利回りが期待できて資産運用の一環として期待できる、ソーシャルレンディングへの投資。しかし日本のソーシャルレンディングは、不動産への融資に傾斜している中、クラウドクレジットの海外案件は分散投資先としても考えることができます。
1万円から開始できるようになる海外のソーシャルレンディングへの投資、まずは口座開設やセミナー参加から試してみてはいかがでしょうか?
概要
不動産市場は黄色信号が点灯しているような・・・
アメリカ及び日本の不動産市場は過熱しているのか?こんな議論をタマに耳にするようになりました。現状、不動産不況と仰る方は殆どいなので、まぁ不動産市場は悪くない状態。
では過熱しているかどうかで言うと・・・、さてどんなもんかな、と思っていたら、先日「米国商業用不動産価格指数(グリーン・ストリート・アドバイザーズ)」のグラフを見て、フィボナッチ使いとしては、少なくともアメリカの不動産市場は過熱して下落の可能性がある、と判断しています。
関連記事:チャート屋から見た、米国REITを買えないたった1つの理由
では日本はと言うと、外国人投資が日本の不動産もピークアウトと言ってるらしい、と言った記事を日経新聞で最近目にするようになってきました。ま、日本の景気はアメリカに連動しているので、アメリカの不動産価格が崩れれば、日本も影響なしとはいかない、そんな認識がベースにありますが。
そんな訳で日米ともに不動産市場は今後注意が必要ではないかな、と考えています。
日本のソーシャルレンディング(融資型クラウドファンディング)は不動産に傾注
海外で一足先に市場が広がった、クラウドファンディング。特に融資型クラウドファンディングはソーシャルレンディングとも言われ、個人がインターネットを経由して企業やプロジェクトに融資することで、個人が高い金利を受け取ることが可能になっています。
日本でも徐々に認知度は高まりつつありますが、まだまだ知る人ぞ知る、という存在。先日、GMOクリック証券の口座から日本のソーシャルレンディング最大手のmaneo社の案件に投資できるようになったので、これが一つの起爆剤になるのでは?、とは思っています。
ただし少し調べると分かりますが、日本の融資型クラウドファンディング(以下、ソーシャルレンディグ)は、不動産絡みの融資に注力して実績を出してきた、という側面があります。これまで延滞はあっても元本割れはない、というのがソーシャルレンディング各社の立派な実績ですが、それも堅調な不動産市場が存在してこそ、という面は否定できません。
立ち上がり間もないソーシャルレンディング市場、確かに約5~10%という高い利回りは魅力ですが、さすがに一気に大金を投入するのはリスクが高く、分散投資が鉄則です。ただしいくら分散投資しても、案件が不動産案件ばっかり・・・、と言うことでは不動産市場がこけると、全案件が軒並みやられた・・・、ということだってありえます。
となると不動産以外のソーシャルレンディング案件はないものか?、と思うのが人情。ただ国内の案件となると太陽光発電案件等、あるにはあるのですが、個人的にはリスク高いよなぁ、と思う案件が多数。それでも、今の所は業界として”元本割れがない”というのが売りなので、考え過ぎかもしれませんが。
そんな日本のソーシャルレンディング業界の中で、海外案件に特化している会社が、クラウドクレジットとなります。
クラウドクレジットについて
クラウドクレジットは海外のソーシャルレンディング案件に特化した、ソーシャルレンディング運営会社として知られています。
会社概要は以下のようになっています。
社名 クラウドクレジット株式会社
事業内容 金融業(第二種金商品取引業者:関東財務局長(金商)第2809号)
設立 2013年1月
代表取締役 杉山 智行
株主
杉山 智行、伊藤忠商事株式会社、フェムトグロースキャピタル有限責任事業組合、有限責任事業組合フェムト・スタートアップ、マネックスベンチャーズ株式会社、株式会社GCIキャピタル
(クラウドクレジットのサイトより)
2013年設立のソーシャルレンディングベンチャーです。
社長の杉山智行氏は、東京大学→大和証券SMBC→ロイズ銀行を経て同社を設立という、バリバリの金融マン。日本のソーシャルレンディング業界は、どちらかと言えば中小企業支援や不動産投資といったある意味”ベタ”な分野からの参入が多いのですが、そんな中で杉山社長は異色の経歴と言えます。
また株主も伊藤忠商事、マネックス証券グループと言った有名どころと、ベンチャー投資を行っているフェムトグループという、豪華な組み合わせ。業界では東証1部上場クラスの株主を迎えている会社は、業界最大手のmaneoとSBIグループのSBIソーシャルレンディングとクラウドクレジット程度しかありません。
そして業界では異色の経歴の杉山社長が経営するクラウドクレジットが行っているのが、海外のソーシャルレンディング案件となっています。
クラウドクレジットのソーシャルレンディング案件
クラウドクレジットの取り扱っている、主な海外のソーシャルレンディング案件を以下にピックアップしてみました。
・ペルー小口債務者支援プロジェクト 期待利回り10.8%、運用期間約3年、元利均等
・東欧金融事業者支援ファンド(為替ヘッジあり) 期待利回り9.6%、運用期間約7ヶ月、満期一括
・リトアニア個人向けローンファンド 期待利回り12.6%、運用期間約3年、元利均等
・ジョージアマイクロローン事業者ファンド 期待利回り10.0%、運用期間約13ヶ月、満期一括
・カメルーン中小企業支援プロジェクト(為替ヘッジあり) 期待利回り12.2%、運用期間約7ヶ月、満期一括
ジョージアというのは旧グルジアです、ジョージア州ではないので悪しからず。(グルジアワインって、今はジョージアワインと呼ぶのか、何か違和感あるなぁ)
利回り約10%で、日本からするとホント羨ましいくらいの高利回り案件がならんでいます。ただねー、やはり海外案件だし、本当に回収できるのか?、と思ってしまうのが、本音では?東欧やリトアニアはまだイメージ湧きますが、ペルー?ジョージア?カメルーンってアフリカのどこだ???と言う感じでしょうか。
そしてカントリーリスクもありますが、これまでは各案件の投資最低金額は5万円からとなっていました。
利回りは魅力的だけどよく分からない国のそれも相手のよく分からないソーシャルレンディングに5万円投資できるのか、と言えば、ゆっくり考えておきます・・・、というのが普通です。
それでも、それはそれ、としてリスクを取っていれば、クラウドクレジットの案件もまだ元本割れが発生したとは聞かないので、相応のリターンを享受できている訳ですが。
ソーシャルレンディング業界を見渡すと、最低投資金額1万円から、という案件も多いので、クラウドクレジットも1万円から投資可能になれば裾野が広がるんじゃなかろうか、と思っていましたが、海外案件なので手間がかかるから無理だよね・・・、とも思っていました。
ところが予想に反して、クラウドクレジットは2016年11月1日から最低投資金額を5万円から1万円に引き下げ、と発表。これには驚きました。
クラウドクレジットは11月1日から最低投資金額を1万円に引き下げ+預託口座を開設
まさかないだろう、と思っていましたが、予想に反してクラウドクレジットは投資最低金額を5万円から1万円に引き下げ。開始日は2016年11月1日。
個人的には事務手続き大変なんじゃなかろうか、と思いますが、その決断は評価に値します。やはり最低金額5万円は、まだ業界的に信頼感があるとまでは言えないソーシャルレンディングには、ハードルが高いですから・・・。
そして同時に、投資家の資金をプールする、預託口座も開設。日本の多くのソーシャルレンディング会社は、投資家から預かっている資金を、会社の資金と同一に管理しています。確かに口座は別々にして、厳密に管理しているのでしょうが(それができてなければ、そもそも大問題)、それでも本当に大丈夫?、という懸念はぬぐえません。
証券会社や大手FX会社に対して、投資家の資金を会社の資金とゴッチャにしてない?、という疑念を抱く方は少ないと思いますが、市場自体が立ち上がって数年で、プレーヤーもベンチャー企業が多いソーシャルレンディング運営会社。会社のお金と投資家のお金、しっかり分別管理できているのか?、という部分は常に気になる部分です。ちなみに、金融庁が投資家からお金を預かるビジネスしている会社に対して、一番厳しく当たる部分でもあります。
投資金額の5万円→1万円への引き下げ、そして預託口座の開設で、クラウドクレジットへの投資のハードルは、グッと下がることになりそうです。
まとめ
資産運用という観点で利回り約5~10%という融資型クラウドファンデョング、すなわちソーシャルレンディングは大きな可能性を秘めている、と考えています。しかしながら日本のソーシャルレンディング案件は不動産ばっかし・・・。さりとてクラウドクレジットの海外案件もカントリーリスクがなぁ、と思っていたところ、11月からは1万円から投資が可能に。
また預託口座が開設されることで、安心して資金が預けられるようになります。
とりあえず勉強兼ねてモノは試して投資してみますか、と思える程度にハードルが下がることになります。
海外モノなので思わぬリスクもあるかもですが、1万円からやって色々分かった上で徐々に資金を追加する、ということもできます。
日本のソーシャルレンディング案件は多くの案件が数%という利回りなので、クラウドクレジットの平均10%という利回りは非常に魅力的ではあります。ご興味あれば、投資金額が1万円に下がるのを機会に口座開設をしてみてはいかがでしょうか?
また同社はセミナーの開催も積極的なので、まずはそちらに参加して話を聞いてみるのもオススメです。
立ち上がったばかりのソーシャルレンディング業界、そして資産運用先としてのソーシャルレンディング。いずれも興味のある分野なので、今後継続的に追いかけて行こうと思います。
PS 2017年1月にクラウドクレジットの運用法公開に参加してきました
・クラウドクレジット運用報告会に参加してきました