ゲーム業界の現状、衰退が言われても打ち上げ花火と淘汰の繰り返し

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 ゲーム業界ではカリスマとして知られた任天堂の岩田社長の急逝から2ヶ月。なかなかヒット作が出ず、苦戦が続く任天堂ではありますが、ヒット作が出ない=続かないのって、任天堂というより、ゲーム業界では今に始まったことではありません。

 完全に、水物、としか思えないゲームのヒット。盤石な財務体質及びDeNAとの提携を梃に任天堂は再度ヒット作を生み出すことができるのか?

 新しいように見えて、実はヒットと淘汰という、同じことの繰り返しを行っているゲーム業界。その現状と仕組み、そして今後について考えてみます。

ゲームのヒットは誰にも分からない

 ゲーム業界は水物と言われますが、ズバリこれにつきます。

 ゲームのヒットは誰にも分からない!

 ゲームクリエイターがコレは当たる、と思っても当らないゲーム。こりゃダメだ・・・、と言われたゲームが意外や意外大当たり、何て事が頻繁に起こるゲーム業界。まぁさすがに、ダメなゲームが大ヒット、と言うことは少ないようですが、自信作がサッパリ、というのは日常茶飯事。

 けどこの状態、ソーシャルゲームが主流となった今に始まったことではなく、結構昔、それこそファミコンの頃から、程度の差こそあれ、繰り返されてきたお話。
 日本で独自に発展したファミコンを始めとする据置型ゲーム機は、ハードの性能が上がって開発費が昔とは比べ物にならない程、莫大になってしまい、外れました、アハハ・・・、では済まされない環境にはなっていますが。

ヒット作の続編が増えるのはゲーム会社の経営からは当たり前

 ヒットが読めないゲーム業界。しかしながら、唯一数字がある程度読めるのは、ヒット作品の続編物。知っている方からすれば、当たり前、なのですが、ヒット作を1つでも持っている会社は、その続編で稼ごうとします。

 任天堂のマリオシリーズやポケモン、コーエーの信長の野望シリーズ等、ヒットが読めないゲーム業界ですが、ヒットは読めなくとも会社の維持はしなければならないので、ゲーム会社の経営判断とすれば、これは自然な流れかと。

 コンテンツというカテゴリーで考えれば、映画だってドラマだって、作品がヒットするかどうかなんて、結局フタを開けてみないと分からないし、ヒットが出れば、その続編で稼ぐ、という流れができているので、水物と言われるコンテンツ業界、ヒット作品→続編で継続的に稼ぐ、というのは自然な流れです。

衰退が言われても、当たれば大きいゲーム業界

 少子高齢化で、ジャパニーズドリームも数少なくなってしまった日本経済。ゲーム業界も衰退が言われていますが、それでも一発当たれば大きいのは今も昔も変わりありません。

 近年の例で言えば「妖怪ウォッチ」のレベルファイブ社(未上場)。レベルファイブ社がいくら儲けているのか、未上場会社の為に数字をうかがい知ることはできませんが、ゲームからぬいぐるみからアメニティ、果てはUSJまで、気付けば世間は「妖怪ウォッチ」だらけ。えらく儲かっているんだろうなぁ。

近年で最大のヒットは「妖怪ウォッチ」というのは衆目の一致する所

 一発当てればデカイ、というゲーム業界の神話は未だ健在であります。ちなみに一番当てたのは、任天堂のような気がします・・・。けどその任天堂も苦戦中です。

関連記事:Wii Uはゲームキューブ以下の販売台数、任天堂のゲーム機事情

ゲーム業界は栄枯盛衰の繰り返し

 ゲームのヒットは分かりません。ある時、急にドカンと打ち上げ花火が上がって、そのゲームを開発した会社にザックザクお金が入る。けど、ヒット作を出し続けるのがいかに困難なのかは、ゲーム業界の方であれば、誰でも分かっている事実。イヤ、見たくない事実かもしれません。
 
 試しにゲーム会社の栄枯盛衰の例を下記に挙げてみます。

・ナムコはバンダイと合併
・「ぷよぷよ」のコンパイルは経営破綻
・セガはサミーの傘下入り
・高橋名人のハドソンはコナミに吸収合併
・FFのスクウェアはドラクエのエニクスと合併
・飛ぶ鳥を落とす勢いだったグリーが完全失速

 任天堂の倒し方を知っている、と言ったor言わないで話題になったグリーですが、もう完全失速状態。これだけでも、ゲーム業界の栄枯盛衰が分かろうかというものです。まぁ、この発言が事実がどうかは分かりませんが、グリーも業界=一寸先は闇ということが分かってないなぁ、と思っていた人が多数いた、ということだけは間違いなさそうですが。

ガンホーもパズドラの脱皮に苦戦

 ジャスダックから東証1部への市場替えを発表したガンホー・オンラインエンターテインメント。ここ2~3年、パズドラブームに背中を押され、業績は絶好調でしたが、さすがにここに来て、パズドラの勢いにも陰りが出始めています。

関連記事:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株価の今後の見通し
 
 実はガンホーの歴史って、非常に面白いんです。
 ガンホーの創業者がソフトバンクの孫正義氏の弟の泰蔵氏というのは有名なお話。元々ガンホーはPCのオンラインゲーム(MMORPG)の「ラグナロクオンライン」を日本で運営し成功を収め、当時の大証ヘラクレス市場に上場。
 ラグナロクは韓国のゲーム会社であるグラビティが開発したゲームで、韓国の会社からガンホーはライセンスを受けて日本で運営してました。実はガンホーの上場後、ライセンスの更新でひと悶着あったようですが、何と驚いたことに、最後はソフトバンクがグラビティを買収(約400億円)してライセンス問題を決着。
 これは孫正義氏しかできない解決方法だよなぁ、という力技でした。

ラグナロクはこんなゲーム

 ただしラグナロクも当然次第に収益は落ちてゆき、目指せ第2のラグナロク、と言うことでガンホーは色々なゲームを開発したりライセンスを買ったりします。
 所がこれが、うまくいかない。実は「北斗の拳」のMMORPGに賭けていた時期もありましたが、「北斗の拳」も失敗。そしてガンホーは、業界では忘れ去られた存在になりつつありました・・・。
 しかしながら、そんな中に救世主として現れたのが「パズル&ドラゴン」。そしてパズドラのお陰でガンホーは一気に息を吹き返し、そして今に至っています。

 ガンホーとしても、ラグナロク後の苦難の歴史は繰り返したくない、とばかりにソフトバンクと共同でフィンランドのゲーム会社で世界的ヒット「クラッシュ・オブ・クラン」(クラクラ)を生んだスーパーセル社を買収。これでガンホーはパズドラ後も安泰か?、とも思われましたが、残念ながらクラクラは日本ではそれ程ヒットせず、またクラクラ後にスーパーセス社が発表したゲームも今一つであり、やはりパズドラの後どうするよ?、という状態にガンホーはなりつつあります。

 ヒットしたゲームの後にどうするか、と言う問題、ゲーム会社にとっては永遠の命題です。ガンホーのように対策をとっても、やはり避けては通れないようです。

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ソーシャルゲーム業界も淘汰が始まるのでは?

 気が付けば、数多くの会社が上場しているソーシャルゲーム業界。DeNA、グリーといったパイオニアが既に一時の勢いがなくなっている中、gumiが相変わらず赤字のトンデモ決算を発表しており、そろそろ淘汰の時代も近いのかもしれません。

 パイオニアのDeNAは、とは言っても体力があるので生き残り当確でしょうが、今後ヒットを出せないソーシャルゲームの会社は再編、そして淘汰の波に飲み込まれる可能性が。

関連記事:DeNA株価の今後の見通し

 実はゲーム業界って、ゲーム会社という箱は正直いらなくて、クリエイターやプログラマーといった人さえいれば、新しいゲームを作ることが出来るので、再編というより淘汰の可能性が高いかも。ヒット作は権利を丸ごと売ることが可能ですし。ゲーム会社としても、ゲーム会社をM&Aするよりも、ゲームだけ買ったほうが安いし、後々面倒なことにはならないでしょうから。

 上場直後に決算の下方修正を出す等、何かと話題を振りまいているgumiが今度どうなっていくのかが、ソーシャルゲーム業界の今後を占う試金石となりそうです。

LINEだってゲーム=ツムツムで儲けている?

 上場するのしないのが、タマに話題になるLINE。LINEの上場は案外ハードルが高そうですが、実はLINEもゲームで相当儲けていると推察されます。

関連記事:LINEが株式上場申請、東証へのIPOは実現するのか?

 LINEは何せあの「ツムツム」の運営会社。LINEは最近はLINEスタンプがえらく儲かっているようですが、LINEスタンプが出る前の決算でも相当儲かっています。

関連記事:LINEの2013/12期と2014/12期の決算書、さすが儲かってます!

 ツイッター社の状況を見ると、通信アプリで儲けるのは限界があると思われる中、2014/12期で経常利益197億円のLINE。LINEスタンプの収益本格貢献前なので、ゲームからの収益貢献が大きいのではないかと。

これが流行ったんです、電車の中でOLさんがツムツムしている姿もよーく見ました

ゲーム業界のまとめ

 恐らくゲーム業界の構図って、今後も大きくは変わらないのでは?据置型ゲーム機から携帯電話そしてスマホと、主戦場を変えてきたゲーム業界ですが、ヒット作に依存する、という構図自体は昔となーんにも変わっていないので。そして、そのヒット作を軸に栄枯盛衰が行われるという。
 ヒットを生んだ会社がブイブイ言わせて、そのヒットが続けば生き残り、続かないと淘汰されるという繰り返しです。

 将来を読むのは難しいですが、夢を見ることはできるゲーム業界。どうやら今後、ソーシャルゲーム業界を中心に淘汰が進みそうです。果たして5~10年後、ゲーム業界はどんな姿になっているのでしょうか?非常に興味深いところですね。
 
 以上、ゲーム会社の記事も増えてきたので、まとめ的にゲーム業界について書いてみました。個人的に非常に興味のあるゲーム業界、今後も注目していこうと思います。

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