ライザップの株価は1年掛けて1,500円台から200円台に下落中。そんな中、2018年9月中間期で▲85億円の赤字を計上して話題となっています。
大赤字というファンダメンタルの変化が発生し、株価はどこまで下がるのか見通すのは難しいですが、まずは同社の株価を振り返ってみました。
・その後、2019年5月に大幅に赤字拡大を発表り大変なことになっています
RIZAPが通期赤字に加えて継続企業の前提に疑義(GC注記)に至った理由、返金保証が抱えるリスク
概要
RIZAPが▲85億円もの大赤字決算を発表
インパクトのあるCMで一躍有名になったRIZAP(以下、ライザップ、上場会社としてはRIZAPグループ2928:札幌アンビシャス市場に上場)。本当に痩せるけどリバウンドが・・・、との噂もありますが、健康ブームの日本でライザップのサービスはヒットし、会社としての業績も大きく伸びました。
元々ライザップは健康コーポーレーションという名前で、おからクッキーの開発販売をしていた会社。おからクッキーでのダイエットも一昔前にブームになりましたが、札幌アンビシャス市場とはいえ、おからクッキーで上場する会社が出てくるとは・・・、とその昔思ったものです。
そして時代は流れてライザップのパーソナルトレーニングサービスがヒットして、会社も社名をそのままライザップに変更。
しかしライザップのサービスから上がる収益を原資に色々な会社をM&Aしており、中にはホントにうまくやってけるのか?、という会社も。そして迎えた2018年9月中間決算は、買収した子会社群が足を引っ張り、また膿を一気に吐き出す為に四半期純利益で▲85億円もの赤字を計上することになりました。
多少なりともライザップのM&Aしてきた会社を知っていると、やはり・・・、という結果なのですが、それにしても最終利益で▲85億円というのは大きい数字。
世間的にもインパクトが大きく、様々なメディアでライザップの赤字が大きく取り上げられています。
ライザップの株価は往って来いで200円台に逆戻り
ライザップのサービス拡大とともに株価も上昇したRIZAPグループ<2928>ですが、まずは下記の月足をご覧あれ。
・RIZAPグループ株価-月足チャート
「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」
マネックス証券Tradestation
※関連記事:マネックス証券のトレードステーション発表会に行ってきました
ちょうど1年前の2017年11月に株価は最高値の1,545円を付けています。
2017年4月までは250円台半ばを天井に株価はウロウロしていたのですが、5月にペナントブレイクするような形で300円台に突入。その後はあれよあれよという間に1,500円に駆け上がっています。
このチャートを見ると、株の面白さがよく分かります。しかし逆に1,500円台を付けてからの下落は、株の恐ろしさがよく分かるチャートでもあります。
2017年12月からひたすら下落を続けていた株価ですが、11月14日に大赤字の決算を発表して下落に拍車がかかる結果に。
そして決算発表を行った週の金曜、11月16日の終値は265円。決算発表後は2日続けてストップ安を演じています。
振り返ればライザップの200円台半ばって、昨年株価が駆け上がる前の高値水準です。チャート的にはサポート&レジスタンス(サポレジ)転換のレベルにまで下落したことになります。
ライザップの株価は、200円台から1,500円台に駆け上り、その後に1年かけて再び200円台に戻ってきたことになります。ご苦労様・・・。
2018年5月に株価818円で公募増資により350億円を調達
ライザップは実は2018年5月に約350円規模の公募増資を行っています。同時に分割もしているのですが、分割考慮後では株価818円で公募増資を行っています。
簡単に言って3ヶ月で株価が3分の1以下になってる訳です・・・。あーあやってしまった、という状態。主幹事はSBI証券とクレディ・スイス証券か・・・、これは引受責任とか言われかねないレベルではないかと(殆ど問われる事はありませんが)。
上場株で3ヶ月で3分の1になる銘柄はなかなかないので、普通に上場株買っておけばここまでは損しなかった・・・、そんな状態。多くの投資家の悲鳴がチャートからは聞こえます。
350億円の公募増資に救われているライザップ
別途ライザップの財務分析すると面白いのですが、85億円の大赤字を計上したライザップは、350億円の公募増資に財務的には救われています。
損失計上が今回で終わるかどうかは分かりませんが、いずれにしても85億円の赤字を出しても財務的には問題ありません。2018年9月中間期で資本合計669億円も残っています。
本当は公募増資で調達した資金は攻めのM&A等に利用するはずの資金だったのですが、何のことはない過去の失敗M&Aの穴埋めに利用されています。
350億円の公募増資がなくとも、恐らく目先の企業存続自体に危険信号はともらなかったとは思いますが、それでも350億円がなければ、ここまで一気に損失計上できたかどうかは微妙な所。
最後は現金持っている会社が強い、をライザップは地で行く形になっています。まだ572億円も現金を持っていますので。
株価的には200円台半ばで止まるかどうかがポイント
ファンダメンタルの悪化でもうテクニカル分析が通用しない相場となっているライザップですが、あえてテクニカル分析するなら、現行の200円台半ばを維持できるかどうかがポイント。
200円台半ばは上述のように過去のサポレジであり、この水準を維持できればどうにかサポレジ転換で今後の上昇の可能性も生じます。
そこから更に下に行くと過去のチャートからは100円割れも可能性としては出てきます・・・。
200円台半ばって過去出来高も多くなっているゾーンなので、チャート屋的には結構重要に見える値位置です。ストップ安2日続いていますが、さてどこで下落は止まるのでしょうか。
まとめ
ライザップの赤字計上、実は株価の問題から始まり会計、M&A、経営者、公募の良し悪しとテーマが多岐に渡ります。
今回は株価中心にポイントを絞って語ってみました。別のテーマはまた時間があれば書いてみようと思います。
さてライザップの株価はどこで下げ止まるのでしょうか、注目しようと思います。
・RIZAPグループ株は20,000~30,000円で購入可能です。松井証券なら10万円以下の株式は手数料0円となります。投資というより投機となりますが、RIZAPグループでバクチ的なトレードを行うなら手数料がかからない松井証券がオススメです。ただしご利用は計画的に。また10万円以下の銘柄に投資する際、松井証券に口座があると何かと重宝するので、口座開設しておくとイザという時に役立ちますよ。
1日の約定代金10万円まで手数料無料、松井証券の口座開設詳細を見てみる
関連記事:10万円以下の株を買うなら手数料ゼロの松井証券がオトク
赤字会社の関連記事
・ワークスアプリケーションズが2018年6月期決算で180億円もの赤字を計上!
・TATERUは来期(19/12期)赤字では?Q3の成約数が激減してる!
・ユーグレナの19年9月期予想決算は60億円以上の赤字、設備を一括で費用計上!