日本郵政の上場(IPO)、時期や株価等の各種情報まとめ

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 いよいよ秋に迫ってきた日本郵政グループの上場。
 日本郵政とゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が同時上場という仕組みもあり、実は壮大なテーマな日本郵政グループの上場。

 当サイトでも何か書こうかと思いつつ、テーマが多岐に渡り過ぎ手を付けかねていましたが、まずは日本郵政グループ上場の時期や株価等の基本的情報を網羅してみました。

 今後、詳細記事を別途書く際も、こちらの記事にリンクを貼るように致します。(2015年11月5日更新)

日本郵政の上場→日本郵政、ゆうちょ銀行、かんぽ生命の3社が上場、親子上場

 秋に予定されている日本郵政グループの上場。
 正式には、親会社の日本郵政と、子会社のゆうちょ銀行とかんぽ生命が上場する、というもの。
 これまで東京証券取引所が、なるべく排除しようとしてきた親子上場のど真ん中。

関連記事:サントリーの株式上場はやり過ぎではないかと思う件

 まぁ東京証券取引所は半分国の機関のような所もあるので、郵政グループ3社を親子上場させる、と政府が言えば、承知しました・・・、と言わざるを得ない面もあります。泣く子と地頭には勝てない、というやつです。

 ただし親子上場とはいっても、一応下記のような方針となっています。

・日本郵政→現在は政府が100%の株を保有。今後の株式市場で政府は、3分の1超を残して順次売却という方針。
・ゆうちょ銀行→現在は日本郵政が100%の株を保有。当面50%を目処に日本郵政は株式を売却(ただし法律上は、出来る限り早期に全て売却と明記)
・かんぽ生命→同上

 ちなみに、郵便事業を行う日本郵便も日本郵政の100%子会社ですが、今回の上場には関係なし。法律でも日本郵政が100%の保有義務を有すると明記されています。よって法律の改正がなければ、郵便事業の日本郵便の上場はありえません。

15.8.20郵便ポスト-min
郵便事業をしている日本郵便は今回の上場には直接的に関係せず

日本郵政の上場時の株価

 日本郵政グループ3社の上場時の想定株価が、2015年9月10日の日経新聞で報じられています。

・日本郵政の株価-1,350円
・ゆうちょ銀行の株価-1,400円
・かんぽ生命の株価-2,150円

だそうです。9月10日に3社の上場承認がおりるようなので、実際に目論見書を見たら、株価についてはまた別途記事を作成します。

 尚、政府が株式を100%保有している日本郵政に限って言えば、株式の売却益から4兆円を東日本大震災の復興財源に充当する点、上場後も1/3超の株を保有するという方針である点から、逆算すると日本郵政の時価総額は6兆円を切る訳にはいきません。

例:「2兆円+2兆円(東日本大震災の復興財源):市場売却」+「2兆円(政府で1/3超を保有)」=6兆円

 ちなみに日本郵政の類似している上場会社は見当たりません。日本郵政を、郵便事業と金融事業を行っている持ち株会社、と考えれば、そりゃ類似会社はないよなぁ。時価総額6兆円が必達目標の中、類似の上場会社もないので、上場時の株価算出、証券会社が非常に悩ましい作業をしているものと推察されます。

 一方の、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は、既に同業が上場しているので、同業の株価を見ながら株価を算出すると予想されます。ただし、ゆうちょ銀行とかんぽ生命は上場時の株式売却益は、親会社の日本郵政の財布に入るので、両社が上場しても直接的には政府の財布にはお金は入りません。
 

日本郵政の11月4日(水)の上場までのスケジュール

 日本郵政グループ3社は11月4日(水)に同時上場を予定しています。9月10日(木)に遂に上場承認が下りました。今後の上場までのスケジュールは下記のようになります。

・9月10日(木) 日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の上場承認
・10月7日(水) 日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の株価の仮条件提示
・10月19日(月) ゆうちょ銀行・かんぽ生命の株価決定
・10月20日(火)~23日(金) ゆうちょ銀行・かんぽ生命の株式の申込期間
・10月26日(月) 日本郵政の株価決定 
・10月27日(火)~30日(金) 日本郵政の株式の申込期間
・11月4日(水) 日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の東京証券取引所市場第一部への上場日

 日本郵政の株価は、ゆうちょ銀行・かんぽ生命の決定後に確定となります。

 いずれにしても、日本郵政の上場はもう目前、という段階となっています。

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日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の予想株価と株価水準

 日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の予想株価と株価水準について、下記で別途検証してみました。

「日本郵政の予想株価1,350円、ヤマト運輸ではなくメガバンク(銀行)が類似会社だった!」

「ゆうちょ銀行の予想株価1,400円、PERは割高でPBRは割安で悩ましい・・・」

「かんぽ生命の予想株価2,150円、同業他社より配当はいいが特徴の無い値付け」

 日本郵政の株価を算出するのに、メガバンク(銀行株)が類似会社として利用されていたのはホント意外でした。ヤマト運輸と比べると割安に設定されていますが、これは上場後にどう影響するのか、非常に興味深い所です。

日本郵政の株を証券会社で買うには?

 日本郵政3社の上場は、日本の国有企業の民営化としては最大規模となります。日本郵政の時価総額6兆円オーバーを前提とすれば、3社合わせて時価総額10兆円を超えると言う、大型の上場案件。

 日本郵政の上場の主幹事は下記。
国内証券会社
・三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券、野村証券、SMBC日興証券、みずほ証券、東海東京証券、岡三証券

外資系証券会社
・JPモルガン証券、ゴールドマン・サックス証券、シティグループ証券、UBS証券。
日本郵政株IPOの主幹事に11社選定、来秋にも上場

 海外の証券会社は縁が無いとしても、上記国内証券会社に取引口座があれば、上場承認後に日本郵政3社の株の申し込みは可能です。

 ただし11月の上場で、1兆5,000億円程度の売出、と言われており、その規模から考えれば、上記証券会社でさばききれない可能性は高く、他証券会社にも郵政3社の売出し株の割り当てが行われる可能性大です。

 

株の販売体制は地方証券やネット証券など90社程度に膨らむ。「オールジャパン」で上場を後押しする(日本経済新聞2015/8/20)

15.7.28東京証券取引所-min
オールジャパンで郵政3社の上場を迎える方針

日本郵政グループ3社の上場にIPO投資は通用するのか?

 政府の株式売却案件とは言え、IPOに変わりません。果たして日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命においても、IPO投資は通用するのか?

 過去の民営化案件の検証をしてみました。

関連記事:郵政グループ株のIPO投資は儲かる?過去の民営化を検証

 過去の民営化、1987年2月のNTTが一番最初で合計8件。
 5勝1敗2引分けで、勝率62.5%。

 過去のデータがそのまま通じるかどうかは分かりませんが、民営化案件のIPO投資、比較的負けにくい投資にはなっています。

日本郵政の株は3回程度に分けて売却予定

 NTTの民営化の記憶がある方は、オボロゲながら覚えておられるかもしれませんが、NTTも上場に際し、何度か分けて政府の株の売出を行いましたが、日本郵政も同様で、3回程度に分けて政府保有株の売却を行う予定となっています。

 今回の日本郵政の上場に際し行われる売出は、その第一弾。

 さすがに第一弾で失敗する訳にはいかないので、政府や証券会社等、関係者は非常に神経をとがらせています。NTTの時はバブル崩壊と重なり、なかなかシンドイ思いをされた方も多かったようですが、果たして日本郵政はどうなるのでしょうか?

日本郵政の上場の課題

 日本郵政の上場に対する課題、これも結構なテーマですが、各論は横に置いておき、課題と思われるテーマを列挙してみます。

①親子上場の問題
②日本郵政の成長戦略
③上場する3社の株価
③ゆうちょ銀行の預金額引き上げ
④ゆうちょ銀行に融資業務を認めるか

 保険業界を良く知らないのでかんぽ生命の問題は、あまり分かりません・・・。

 当サイト、株価を語るサイト、と銘打っているので、やはり気になるのは③の各社の株価。各社の株価については、上記でご紹介した関連記事をご覧ください。 

郵政の関連銘柄

 日本郵政クラスの大型上場ともなれば、関連銘柄を探す動きも活発となります。日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の3社が上場する訳ですが、その関連銘柄を独断と偏見で下記記事でピックアップしてみました。

関連記事:日本郵政の上場、関連銘柄をピックアップしてみました

日本郵政グループ3社の上場の影響

 各業界にいきなり最大手クラスの上場会社が登場する、という郵政グループ3社の上場。

 各業界に大きな影響が出てくると考えられますが、さっそく生命保険業界は再編の第一弾が動き始めています。日本生命が三井生命を買収の方向のようです。

関連記事:かんぽ生命の上場(IPO)で再編?日本生命が三井生命を買収(M&A)へ

 郵政グループ3社の上場、運送業界、銀行業界、生命保険業界に対し、大きな影響を与えそうです。

日本郵政グループ3社の初値と終値と売出価格からの値上がり率

 無事に11月4日(水)に東証1部上場を果たした日本郵政・ゆうちょ銀行・かんぽ生命の3社。3社の上場日の初値と終値、そして売出価格からの値上がり率は下記のようになっています。

・日本郵政→初値1,631円・終値1,760円(売出1,400円:初値比+16.5%)
・ゆうちょ銀行→初値1,680円・終値1,671円(売出1,450円:初値比+15.8%)
・かんぽ生命→初値2,929円・終値3,430円(売出2,200円:初値比+33.1%)

 3社とも見事に初値、初日終値ともに売出価格を上回ることができました。郵政3社の上場、スタートには成功した、と言えそうです。おめでとうございます!

まとめ

 まずは日本郵政3社の上場にあたっての基本的な情報をまとめてみました。

 各社の株価はどうなんだ、で結局売出買ったら儲かるの?、と言った各論の話は上記でご紹介の通り別途記事を儲けているのでそちらをご覧ください。

 NTTの上場の際は、売出株がプラチナチケットになって、手に入れた後、スグに売却して結構儲けた方がおられましたが、果たして日本郵政3社の上場、その再現はなるのでしょうか?

 当時に比べれば、随分と証券市場や個人投資家も色々な経験を積んでおりそう簡単には行かないでしょ、と思う反面、夢よもう一度、と思っておられる方が多いのも、また事実。

 そして、見事上場初日は売出価格を上回ることができた郵政3社。けど上場がゴールではありません、逆に企業としてはスタートライン。企業の真価が問われるのは、まさにこれからとなります。上場に成功した郵政3社の、今後の発展と株価の上昇を願いたいですね。

 

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