LINEのIPOへのハードル、東証へのIPOは実現するのか?

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 かねてより東京証券取引所への上場が噂されているLINE。果たしてLINEは東京証券取引所へのIPOは実現するのか?その時のLINEの株価はどう予想されるのか?LINE上場の課題点を取り上げてみました。

 LINEというアプリケーション自体、既に日本の若者にとっては無くては困る存在ですが、上場となると、LINEにはIPOの実現には越えるべきハードルが多く存在。果たしてLINEは多くのハードルを乗り越えて東証への上場を達成することができるのか?

 LINEのIPO実現のための課題点を取り上げてみました。(2016年4月6日更新)

LINEには韓国のネイバーという親会社が存在

 客観的に見て、最大の問題はココ。LINEには親会社が存在している、という点。

 原則的に東京証券取引所(東証)は、子会社上場を認めていません。
 
 原則的に、というのが面白い所で、サントリー食品インターナショナル(2587)はサントリーの持ち株会社の子会社ですし、ゆうちょ銀やかんぽ生命だって、日本郵政の子会社。日本郵政グループの上場は原則論というより、国の意向の面はあるものの、特殊例を除くと、東証は子会社上場を認めていません。
 一昔前と比べると隔世の感はありますが、今はそういうスタンス。
 LINEの親会社は韓国のネイバーという韓国の上場会社です。一昔前なら、上場会社の子会社の上場は日常茶飯事でしたが、最近では随分減りました。

 LINEが親会社の存在があるまま上場するとなれば、人モノ金の流れを完全に親会社と遮断できるかどうか、というのがポイント。モノと金は何とかできたとして、問題は人の部分。オペレーションは日本法人のLINEで回しているとしても、何かあった時は外国の親会社の意向次第、となればLINEのコーポレートガバナンスは一体?、ということになります。だから基本的には東証は基本的に子会社上場を認めていないのですが。

 この問題、LINEが上場するにあたってどう東証を説得するのか、非常に興味深い点です。

15.4.2親子-min
仲良し親子だと上場できないんです・・・

LINEの株価の問題

 LINEは上場すれば、時価総額1兆円!、という話をよく耳にしますが、LINEはどの程度の利益が出ているのか、実は分かりません。売り上げは2014年12月期863億円ですが、利益は開示されていないんです。

 しかし、遂にLINEの決算書を発見しました。詳しくは下記をご覧ください。ハイ、数字面ではバッチリ上場できる水準です。

「LINEの2013/12期と2014/12期の決算書、さすが儲かってます!」

 仮に親会社の問題がクリアできたとして、次のポイントは株価。当期純利益で400~500億円出ていれば、確かに時価総額1兆円の芽は出てきますが、売上800億円では相当多めに見積もって、当期純利益300億円前後。となると、PER30倍オーバーで時価総額1兆円。ハードル高いよなぁ。
 時価総額1兆円ってセンセーショナルではありますが、1兆円にこだわると、上場の機会を逸する可能性が。親会社の問題等がクリアできるのであれば、株価はそんなにわがまま言わずに、上場を最優先にすべきと考えますが、果たしてLINEがそのような判断ができるのか?
 だれが言い出したのか、LINEの上場=時価総額1兆円、というのが独り歩きしている感があるように感じます。

 ちなみに当期純利益が数百億円出ているようなら、面倒なIPOをわざわざする必要はないのでは?、と管理人は思ってしまいます。

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社会的な問題

 LINE上場について社会的な問題は2点。1点目は未成年の犯罪対策。未成年の出会い系の事件等、LINEが利用されるケースが多く、LINEが上場となると、そんな会社上場させていいのか?、という議論も出てくる可能性が。数年前、すでに上場していたDeNAがこの問題で結構叩かれましたが、上場前にこの問題が浮上しないとは限りません。

 もう1つはセキュリティーの問題。LINEのシステム上、スマホの個人情報をLINEのサーバーに預ける形となりますが、このサーバーから個人情報が本当に守られているのか。タマに雑誌やネットで話題になりますが、サーバーが韓国にある手前、何かあった時に本当に対応できるのか?

 何か問題が発生した際、実はサーバーが外国にありまして・・・、では許してもらえませんので。LINEが上場、となると、このセキュリティーの問題、思った以上にハードルが高いような感があります。

15.4.2LINE
LINEのIPOのハードル結構高いような・・・

東証の公開スタンスの変化

 IPOがバブル気味だよなぁ、と思っていたら、gumiの下方修正問題が発生して、東証が証券会社に対し上場審査の厳格化を要求しています。これまでは、まぁまぁ、で収まっていた話、今後は投資家保護という錦の御旗の下、そう簡単に許してはもらえないと考えられます。

 そもそも東証自身、外国企業の上場は過去随分と痛い目にあっており、ここに来てgumiの問題。更にLINE特有の上記の課題。上場審査の厳格化、LINEにとっては、上場のハードルが上がることを意味しており、ただでさえ超えるべきハードルの多いLINEの上場、更にハードルが高くなった感があります。

15.4.2怒る-min
gumiの下方修正で東証は怒り心頭のようです

資金決済法抵触の疑いで財務局が立ち入り検査

 管理人的にはコレでLINEのIPOの芽は当面無くなった、と思う出来事が発生。

「LINE立ち入り検査 ゲームの「鍵」、通貨の疑い 関東財務局」(毎日新聞)

 直接的にはIPOに関係ありませんが、社内体制不備、は完全にIPO準備の際に東証につかれる部分。ついでに言えば、上場関係の書類は財務局にも提出します。財務局からIPO準備企業に対し意見があることも(ex.JALの再上場、稲盛氏が強引に押し切ったようですが)。

 事業面では肩で風を切って歩いているLINEですが、ことお金に関することは、財務省や金融庁の規制がバッチリ効いているので、ヤンチャをすると当局からお叱りを受けます。今回はまさにその典型例。

 財務局の立入検査で、LINEのIPOのハードルが更に一段上がった、と思いますが、さてどんなもんでしょ。

まとめ

 LINEの上場、実は上記のように超えるべきハードルがいくつかあります。当然これらのハードルを超えるべく、LINEも努力するかとは思いますが、すわLINE上場か?、と騒ぐのはまだ少々早いかと。LINEの競争力自体、他の国の同業他社と比べてどうか、という問題もありますが、こと事業に限って言えば、数字=利益さえ出ていれば上場には差しさわりは無いので、ここでは触れません。

 果たしてLINEは見事に東京証券取引所に上場できるのか?今後の動きも注目してみようと思います。

PS そして遂にLINEに上場承認が出ました。2016年7月15日に日米同時上場です!

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