あいつ会社やめるんだってさ、ソフトバンクのアローラ副社長が退任

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 ソフトバンク孫社長が後継者としてグーグルから招いたアローラ副社長が、突然の退任を発表。孫社長から後継指名を受けていた、アローラ副社長の退任は驚きです。

 60歳での引退を公言していた孫社長でしたが、あと5~10年は最前線で経営する、と続投宣言。その結果、アローラ副社長は退任、となった模様。

 株の売却で直近で2兆円近い現金を手にしたソフトバンク。孫社長の陣頭指揮で再度投資に邁進するのか?それとも膨らんだ借金返済に留意した経営を行うのか?

 続投宣言を行った孫社長、今後のソフトバンクの舵取りに注目です。

株主総会の前日にアローラ副社長の退任を発表したソフトバンク

 ソフトバンク孫社長がその能力にほれ込み、グーグルから引き抜き、自ら後継指名を行ってきたアローラ副社長。2014年に契約金含め165億円、2015年は80億円と巨額の報酬が話題になっていましたが、一方でその報酬をソフトバンク株購入につぎ込む等、ソフトバンクに骨を埋める覚悟を示していました。

 ところが一転、ソフトバンクはアローラ副社長の退任を発表。6月22日の定時株主総会でアローラ副社長は取締役として選任される予定でしたが、その退任を前日に21日に発表するという、あわただしい発表となりました。
 定時株主総会の前日に選任予定の取締役の退任を発表するって、尋常な事態ではありません。それだけ急転直下決まった、ということではないかと。コレ、ソフトバンクの孫社長以外がやると、株主軽視やガバナンス問題から批判の嵐のような気もします。

アローラ氏の退任理由は孫社長の続投宣言

 孫社長が自らの後継者と指名していたアローラ副社長、なぜ急に退任、となってしまったのか?

孫氏が最近になり社長を継続したいと考え「禅譲」を撤回したため(アローラ氏は)退任を決めた。~ソフトバンクグループはアローラ氏が孫氏に代わって「数年のうちにグループのトップとしての指揮を執りたい意向だったが、両者の時間軸にずれが出た」と退任の理由を発表した。(2016/6/22日本経済新聞)

 ソフトバンク孫社長は58歳。60歳で引退したい、と公言し、そのためにアローラ副社長を後継指名していましたが、やっぱりあと5~10年は自分で経営する、と決意したようです。
 ソフトバンクの創業者の孫社長、普通のサラリーマンだって60歳の定年まであと2年、上場企業の代表役員クラスだと定年まであと5年はある訳で、60歳での引退宣言はいかにも早すぎる、と思っていました。孫社長の年齢を考えると、自身の続投宣言は当たり前と言えば当たり前。

60歳で引退と決めていたが、いざその時期が近づくとやっぱりもうちょっとやっていきたいという欲望が出た。(引退してよいのかという)心の葛藤もあった。それに、ニケシュほどの人材を待たせる訳にはいかない。彼には迷惑をかけ、申し訳ない気持ちでいっぱいだ(2016/6/22日本経済新聞)

 と孫社長は日経新聞のインタビューで答えています。

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アローラ副社長退任後のソフトバンクの課題

 今後ソフトバンクは以前と同様、孫社長が陣頭指揮を執る体制となりますが、アローラ副社長が去った後、ソフトバンクの課題となるであろう点は下記。

①アジア特にインドでの投資案件発掘
 恐らくアローラ副社長退任後、一番苦労しそうなのがアジア、特にインドでの投資案件発掘。アローラ副社長はインドでは成功者として著名な人物で、インドでソフトバンクが投資活動を行う場合、アローラ副社長の存在は顔パス的存在。その顔パスが今後利用できなくなります。
 インドを今後の成長市場として位置付けているソフトバンク、インドでの投資案件発掘は今後これまで以上のパワーが必要となります。

②米国スプリント再建
 孫社長は目先、スプリントの再建にかかりきりのようですが、とりあえずスプリントは止血に目途は立った状態。けどマイナスのものをゼロにするのは、企業再建のファーストステップ。で、今後スプリントは成長できるのか?、というのが次の課題。
 本腰でスプリントの経営に関与して、ソフトバンクグループの米国通信会社として独り立ちさせるのか?それとも止血が終わったとしてタイミングを見て売却してしまうのか?

③10兆円を超す借金
 ソフトバンクグループの借金総額は既に10兆円を超えています。

 ある意味、孫社長の顔で借りることができている10兆円を超す借金。孫社長のマインドとして、借金返済を最優先に行う、という選択肢はそもそも無いと考えますが、それでも10兆円を超す借金、何かあった時に一気に負担が重くのしかかってきます。

 近頃、アリババ株等の売却で2兆円を超す現金を手にしたソフトバンク、2兆円の使途は未定としていますが、今後この膨れ上がった借金をどうしていくのか注目せざるを得ません。

 実はソフトバンクの借金問題、孫社長の後継問題と絡めると結構難しいんです。仮に”孫社長が退任”となった時、ソフトバンクグループで借金10兆円オーバーのまま、という状態が続いていると、おいそれと孫社長の後継を受ける人もいないのでは?そう考えると、ソフトバンクはやはり孫社長でないと経営できない会社、なんだよなぁ。

④孫社長の後継は誰がするの?
 今回のアローラ副社長の退任発表に際し孫社長は、後継問題は当面お蔵入り、といったコメントをしています。自分で当面経営するんだから、後継者のことはしばらく考えんでよし、ということですね。

 ただし株価も借金もソフトバンクという会社も、孫正義、というブランドで補強されている面が多分にあり、孫社長だって不死身ではないので、いずれ誰かを後継者にする必要があります。

 類稀な投資の才能で、ソフトバンクグループをここまでの企業グループにまで成長させた孫社長。歴史好きな管理人としては、経営の能力は実戦で鍛えることができても、投資の才能は軍事才能と同じく持って生まれたモノが必要ではないか、とも思います。そう考えると、携帯電話会社としてのソフトバンクの後継者は何とかなるとは思いますが、孫正義ワールドとも言えるソフトバンクの投資の世界は、そう簡単に後継者が見つかるとは思えません。

 もうひと頑張りした後、孫社長が後継者の問題そして、ソフトバンクの将来像をどのように描くのか、非常に興味深い所です。

16.6.22さよなら-min
アローラ副社長、ソフトバンクの中心からは去りますが顧問としては残る予定

まとめ

 日本の経営者の平均年齢が何歳かは知りませんが、60歳で引退宣言していた孫社長、やっぱり60歳での引退は早すぎますって。

 スプリントの再建や10兆円オーバーの借金問題等、孫社長抜きでは解決できない問題が多数存在しているソフトバンク。投資家という観点では、孫社長にもう一度夢を見させていただきたいものです。

 結構なコストもかけていたアローラ副社長の後継体制ですが、孫社長が引き続き一線で活躍する、と言うのであれば高い勉強代でしたが、少なくとも悪い話ではありません。

 孫社長が陣頭指揮を執るソフトバンク、かつての夢よもう一度・・・、と再び急成長を見せることができるのか?今後の孫社長の手腕に期待です。

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