書評『ボリンジャーバンド入門』、間違った見方で使われるボリバン

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ボリンジャーバンドは間違った見方で使われている?ウソのようはホントの話です。

一般的には逆バリで利用する、と思われているボリンジャーバンドですが、開発の本「ボリンジャーバンド入門」では一言も逆張りで利用する、とは言っていません。ボリンジャーバンドを利用して逆張りトレードして、何度も痛い目に合っている方も多いのではないでしょうか?それって本来の使い方ではないので、当たり前の面があります。ボリンジャーバンドは悪くありません・・・。

ボリンジャーバンドは本来はボラティリティを測るためのツールとして開発されました。利用時はその点を踏まえて利用すべきです。

ボリンジャーバンドの開発者が執筆した『ボリンジャーバンド入門』の内容を見ながら、本来のボリンジャーバンドの見方をご紹介します。本稿を読めば、少なくとも”安直に”ボリンジャーバンドで逆張りする気持ちはなくなりますよ。(2018年9月13日更新)

ボリンジャーバンドとは?

そもそもボリンジャーバンドとは?

トレンド系のテクニカル指標で、米国のジョン・ボリンジャーが考案したことからこの名前がついた。移動平均線とその標準偏差をチャート上に描画し、正規分布の状態であれば、平均値±標準偏差内にデータが入る確率は約68%、平均値±標準偏差の2倍内にデータが入る確率は約95%、そして平均値±標準偏差の3倍内にデータが入る確率は約98%で判断する手法。(野村證券)

https://www.nomura.co.jp/terms/japan/ho/borinja_b.html

簡単に言えば、バンドの外側のラインに行くと相場は反転しやすい、と言うことです。ただしこれはあくまでも確率論の世界、ボリンジャーバンドで逆張りしてそのまま反転せず、この確率は本当だろうか?、と自問自答した方も多数おられるかと。何せ管理人もその一人ですから。

ただしボリンジャーバンドを開発したボリンジャー氏自体、ボリンジャーバンドを反転で使う、とは解説していません。

15.12.18ボリンジャーバンド-min
チャートソフトには必ず搭載してあるボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドの原書、単行本「ボリンジャーバンド入門」

 日本語訳もパンローリングから出ているボリンジャー氏の著作。管理人も持っていますが、なかなか内容も価格も重い本ではあります。ただボリンジャーバンドについて考えるためには必携の本。

本書の中に、ボリンジャーバンドの利用方法について、下記のような記述があります。

ある日、ふとバンド幅を正しく定める決め手はボラティリティーではないかと考えた。そこで私は、バンド幅を設定する方法として、ボラティリティーを測る種々な尺度の検討を始めた

ボリンジャーバンドを開発したボリンジャー氏、そもそも逆張り、という発想でボリンジャーバンドの開発をしていません。本を通して読んで分かるのは、ボリンジャーバンドは”相場のボラティリティー=上下運動を測る指標として開発しました”ということ。

使い方の一つの方法として、バンドタッチでの逆張りも紹介されていますが、

あくまでもボリンジャーバンドの基本的コンセプトは、ボラティリティーを測るための指標

、というもの。

終値がバンドの外側に出るのは、持続のシグナルであって、反転のシグナルではない。

バンドの外側で逆張りしなさい、とはそもそもボリンジャー氏は言っていません。驚きの事実ではないでしょうか?だからボリバンで逆張りしていても、簡単には勝てないのは、当然と言えば当然です。

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相場の考え方、スクイーズとエクスパンション

ボリンジャー氏の意図を正確に読み取ろうとすれば、そもそも相場とはどういうものか、という所から始めなければいけません。

ボリンジャーバンドの理解の前提として、相場は停滞(スクイーズ)と爆発(エクスパンション)の繰り返し、ということを認識する必要があります。
 
FXを中心にトレードしていた時に、特に管理人は感じましたが、相場は停滞の後で一気に動くことが多いです。相場が動かずエネルギーを貯めている→その後一気に相場が動き出す、という流れを感じます。

普通のテクニカルとかフィボナッチとかのラインだけ見ていると気付かない視点ですが、株もFXも、停滞→爆発の繰り返し、という視点も大切。停滞=スクイーズというのは、株で言うと、ちゃぶついている状態、とも言えます。

そしてボリンジャー氏は、この停滞の後の爆発(エクスパンション)のタイミングを捕らえるためにボリンジャーバンドはある、と仰られています。

この相場の停滞と爆発の考え方、下記の記事でもう少し詳しく説明していますので、よろしければそちらもご覧ください。

関連記事:株やFXチャートの見方、相場はトレンドと停滞の繰り返し

ボリンジャーバンドの本来の使い方

ボリンジャー氏の仰る、本来のボリンジャーバンドの使い方は、下記のようなイメージとなります。

3.20ボリンジャーバンドの見方-min

スクイーズ=停滞相場の際に、ボリンジャーバンドの幅はどんどんと狭くなってゆきます。そしてボリンジャーバンドの幅が極限まで狭くなった後にやってくるのが、エクスパンション=爆発。

爆発=エクスパンションに乗ることでトレードを行う、というのが本来のボリンジャーバンドのの使い方となります。 

逆張り用のツールとして紹介されることの多いボリンジャーバンドですが、実はエントリーのタイミングを図るためのツールだったんです、本来は。目から鱗ではないでしょうか?

本来のボリンジャーバンドの使い方の欠点

本来は、相場の停滞と爆発を前提に、エントリーのタイミングを図るためのツールとして開発されたボリンジャーバンド、しかしながら最大の欠点があります。

それは・・・、停滞(スクイーズ)の後で爆発(エクスパンション)する相場は、どちらの方向に行くのか分からない!、という点。

相場が動くのが分かっても、方向が分からないと、正直なかなか使うのは難しいですね。特に相場はダマシが頻発しますので。

3.20ボリンジャーバンドだましパターン-min

ボリンジャーバンドの本では、当然方向性の対策も書かれてはいますが、管理人としては今の所、自分に合った方向性対策は見つかっていません。

ボリンジャーバンド本来の使い方、エクスパンションのダマシ対策案

管理人もボリンジャーバンド本来の使い方におけるダマシ対策、完全なものが出来ている訳ではありませんが、場面場面によっては有効に機能するダマシ対策を3つ取り上げてみました。

①長い足のトレンド方向にエントリーする

ボリンジャーバンド関係なく、王道的なエントリースタイルです。株のトレードで日足が基本であれば、週足チャートも分析して、週足のトレンド方向を把握。そして日足でボリンジャーバンドのエクスパンションが発生したら、週足のトレンド方向に入る、というものです。

王道的過ぎてツマラナイかもですが。

ダイバージェンスを探してダイバージェンスの方向に入る

RSI、MACD等えダイバージェンスの発生をチャート上で探して、ダイバージェンスの方向に入る、というもの。そう簡単にダイバージェンスは発生しませんが、スクイーズ+ダイバージェンスが発生していたら、逆張りで大きくとれるチャンスとなります。

尚、ダイバージェンスについては下記をご覧ください。

ファンダメンタル情報の方向にエントリーする

現在動いている相場、何かしらファンダメンタルの情報が無いか探して、そしてエクスパンションの際にファンダメンタルの方向(よいニュースであればロング=買い、悪いニュースであればショート=売り)にエントリーする、というもの。

株では試したことありませんが、FXでは有効に機能する時があります。相場にファンダメンタルは大切だ、と実感できます。

当サイトではお馴染み、トレードは根拠の積み上げが大切、という簡単から言えば、ボリンジャーバンドで動くタイミングが分かった、では動く方向は別の指標で考えましょう、ということになります。

テクニカル等で得意技があるようなら、一度本来のボリンジャーバンドの使い方と組み合わせて相場を見てはいかがでしょうか?面白いものが見えてくるかもしれません。

分かり易い現在のボリンジャーバンドの使い方が主流に

相場が動くタイミングは分かっても、方向が分からないという欠点のあるボリンジャーバンド。正直トレードの中級者以上でないと使いこなすのは困難。そこで、初級者でもボリンジャーバンドにとっつきやすいように、今主流の使い方のように、逆張り用に利用されるようになったのだと、考えられます。(推測なので、違ったらごめんなさい)

テクニカルの面白いところは、利用方法が間違っていても、その利用方法を多くの人がしていると、そのタイミングでテクニカルが効く、という所。

ボリンジャーバンドが本来の使い方でなくても、広まって、更に逆張り用としても機能する、と言われているのはココの部分があるからです。ボリンジャーバンドでの逆張り方法、ネットで検索すると、色々な方法が提案されているので、本来の使い方に関係なく使いこなしている方も多いんだろうと思います。

まとめ

管理人もボリンジャーバンドを逆張り用に使って、痛い目にたくさんあっており、もう随分長いこと、逆張り用としてボリンジャーバンドを見ていません。

本来の使い方で方向性が分かる方法、これがあれば最強ですが、今の所はコレという自分にシックリくる方法は発見できておりません。見つかればフィボナッチとも組み合わせできるので、今後の研究テーマです。

当サイト、管理人の知識や経験をもとに記事を書いていますが、管理人もまだまだ道半ば。記事を書くことで、自らのスキルも上げたいと考えています。

実は非常に奥の深いボリンジャーバンド、その奥深さの一端をご紹介させていただきました。本記事でボリンジャーバンドに更に興味を持たれたようなら、ボリンジャーバンド氏の著作を読むことをオススメします。ボリンジャーバンドの奥深い世界に引き込まれますよ。

テクニカル指標として非常に有名なボリンジャーバンドですが、一度本来の使い方の視点で見てはいかがでしょうか?目から鱗で、新しい相場の見方ができるかもしれませんよ。

ボリンジャーバンドを始めテクニカル分析のお供にトレードステーションをどうぞ

株やFXチャートの殆どにボリンジャーバンドは搭載されています。ただし多くの日本のチャートツールは手軽に使える反面、おまけ的な側面があります。シッカリとテクニカル分析するようなら、しっかりとしたチャートソフトが必要です。

マネックス証券のトレードステーションならテクニカル分析を深いレベルで行う事ができ、かゆい所に手が届くテクニカル分析が可能です。ボリンジャーバンドの搭載はもちろん、ボリンジャーバンドの幅をインディケーターで別途表示もできます。


・トレードステーションでボリンジャーバンドに加え、ボリンジャーバンド幅のインディケーターをサブウィンドウに表示
(画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション)

テクニカル分析のお供として、管理人にとってトレードステーションは必要不可欠な存在です。トレードで勝つためには、道具への投資も必要ですよ。高機能ツール=有料、というイメージがありますが、トレードステーションはマネックス証券のトレードステーション口座を開設すれば「無料」で利用ができます。トレードステーションは少しでもテクニカル分析に興味があるなら、持っておいて損はありません。

チャートにボリンジャーバンドを表示させる際、これを機会にトレードステーションを利用されてはいかがでしょうか?テクニカル分析の次のステップに進むことができますよ。

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