ペナント、三角持ち合いはブレイクまでエントリーを待つのが得策。
方向感が出ずにレンジ相場となる三角持ち合いは、エントリーせずにブレイクを待ち、ブレイクの確認後にエントリーする事で、トレードの期待値を上げる事ができます。
ペナント=三角持ち合いとは、という所から、エントリー方法、そして「だまし」のパターンまで解説いたします。
ペナントのブレイクを待つ、そして出来高などを利用して正しい方向のブレイクにエントリーする事が、三角持ち合いブレイク攻略のポイントとなります。(2019年3月22日更新)
概要
ペナントパターン=三角持ち合いとは?
ペナントパターンは言葉で説明するより、図で見るのが早いと言えます。
上記のように三角の株価や為替のチャートパターンが出現していれば、それがペナントパターン。二本のトレンドラインが見事に、三角=ペナントを形作っていますね。
そして教科書的には”上のラインと下のラインを延長して行くと、上と下のラインが交差するポイントがあって、その辺りがペナントブレイク(保ち合いが崩れて大きく動く)”となります。
ペナントを見つけるのは、チャートを見慣れてこれば、そんなに難しくありません。あーこの銘柄、今ペナントを形成中だ、と自然に分かるようになります。
ペナントは相場の次のエネルギーを溜めている状態
問題はペナントを形成して、ペナントをブレイクした後、上or下どちらに相場は動くのか?、という点。
相場は上昇するにしても、下落するにしても、一気にスコーンと動くのではなく、N字型を描きながら動いて行きます。
そういう前提で相場を見た時、ペナントはどのような位置付けとなるの?
それはズバリ、アルファベットの「N」字の「斜め線」の部分です。Nは縦→斜め→縦、という書き順になりますが、ペナントはNでいう斜め線。即ち本当の動きの間にあるのが、ペナントの動きとなります。だからペナントを見つけたら、次の動きのための間の動きなのね、と見るのがベター。
実はこの考え方、管理人のオリジナルでも何でもなく、一目均衡表を作った一目山人の考え方。ペナント状態は一目均衡表では調整波と定義され、次のトレンドまでの調整機関とされています。管理人も実体験で、一目均衡表の考えを受け入れるようになりました。よってペナント形成中は、基本的に本番の動きの前段階の動きなので、トレードせずに様子見がよい、と考えています。
一目均衡表は本来的には原著を当たるのが一番。しかし一目均衡表の原著、相当マニアックな本で取り寄せでした購入できません。一目均衡表を本当に学びたいなら、まずは下記をパラパラと眺めてみるのがオススメ。一目均衡表の正統派の入門書です。
関連記事:一目均衡表の原理、雲より遅行線が大切だが本質は別に
ペナントの後でどちらに動くかは分からない
上昇トレンドの途中でペナントがあれば、それは次の上昇のための準備期間、下落トレンドの途中であれば、それは次の下落のための準備期間、と教科書的には言えますが、これをそのまま鵜呑みにすると火傷します。
例えば下記のような「上昇ペナント」と言われるパターン。
確かに下値が切り上がってきており、ダウ理論的には上昇トレンド。では、最後の頂点の付近で教科書通りに上放れるすかと言えば、決してそんなことはありません。下に離れて、見事に騙されました、というケースは過去何度も発生しています。
また上記とは逆に「下落ペナント」と言われるのが下記。
こちらは上値が切り下がってきているので、下落トレンドでペナントブレイクの際は下放れるす可能性が高い、と教科書では言われますが、逆に上放れすることだってよくあります。ハイ、頻繁にダマシがこちらも入ります。
考えてみてください、株であったりFXであったりの相場が、いつもいつも教科書通りの動きをしてくれれば、相場をやっている人は皆大金持ちになってしまいます。当然、そうはなっていないので、そこにはダマシが発生しています。
管理人は基本的にはペナントの後、どちらに動くのかペナントの形状だけでは分からない、というスタンスでいます。
ペナントは次のブレイクの充電機間の動きと前述しましたが、本番の動きがトレンドと逆=反転した、というケースはざらにあります。よって、ペナント形成中の相場は手出し無用かと。
ペナントをブレイクして動き始めてから、ついて行けばよいと考えます。ペナントブレイクはエネルギーの放出なので結構大きく動くことが多く、少しばかり入るのが遅れても、十分にチャンスはありますので。
ペナントブレイクのタイミングも考えない方がよい
ペナントの上の線と下の線、交差した近辺でペナントブレイクが発生しやすい、とよく聞いたり読んだりしますが、これも結構微妙です。特にペナントブレイクは〇回ラインにあたったら・・・、という説明、経験的に〇回というコレという回数は無いと感じています。だから、ペナント形成中に、上の線や下の線に何回当たったからそろそろブレイク、という考えにこだわり過ぎるのは少々危険。
ペナントブレイクは方向性同様、ペナントブレイクがいつ発生するか、というのもあまり教科書的な考えは役に立ちません。ズーット、ペナント状態の時もありますし、ペナント形成中と思っていたら、線の交差の前にあっさりペナントブレイク、というケースも結構あります。
よって、相場の次のエネルギーを溜めるのはいつまでかかるか分からない、という前提でペナントを見た方がよいです。
ただし、上の線と下の線のクロスに近付くに従って、ペナントブレイクの可能性は高くなっていく、という考え自体は間違っていないと思います。
ペナントブレイクの際の値動きパターン
ペナントはどちらにブレイクするのか分からない、という前提でペナントを見ている管理人ですが、ペナントブレイクのパターン自体はある程度類型できるパターンがあります。
それが下記のジャパンディスプレイの日足チャート。
一度ペナントをブレイクして、その後すぐにペナントのラインまで戻ってきて、そこから本格的に上昇or下落するパターン。このパターンで、ペナントブレイクのパターンを全部が全部説明できる訳ではありませんが、ペナントブレイク時の典型例として管理人は頭に入れています。
ペナントブレイクを取るには、一度ブレイクした後にペナントラインまで戻ってきた所で入る!
確かにその通り。ただしそれが簡単にできれば苦労はありませんね・・・。だからフィボナッチや、テクニカル等でエントリーの為の根拠の積み上げは、ペナントブレイクの時でも必須となります。
けどペナントブレイクではこんなパターンも存在
上記が管理人が考えている、ペナントブレイクの典型パターンですが、下記のようなパターンも。
ペナントを一度上にブレイクして、戻ってきて本格下落。もうこれは正直、読める世界ではありません。一応、ペナントブレイクで上昇の際にRSIが70を超えており、注意報は出てはいますが。だから、相場を判断する際は、根拠の積み上げが大切、ということになります。そんな訳で、ペナントブレイクはパターンだけにこだわると、上記のような訳の分からない値動きが発生するケースもあるのでご注意を。
残念ながら相場に100%はありません。特にペナントパターンは相場で頻出するパターンであり、資金力のある頭のよい方々は、敢えてペナントブレイクの典型パターンとは逆に相場を動かすことも。FXの相場を見ていると、よーくお見かけします。
よって、分かり易いペナントパターンというのは、実は裏に罠が仕掛けてある可能性もあるので、要注意です。
ペナント、三角持ち合いのブレイクは値動きの起点に
相場には、スクイーズ=縮小とイクスパンション=爆発、という2つの状況に分けて考える、という捉え方があります。トレンドとレンジとは若干異なる見方です。
その観点では、ペナントはスクイーズの状態。スクイーズの後にはイクスパンションがあるので、イクスパンション待ちとするのがベターとなります。よってペナントの時は手出し無用としてしまうのが、1つの考え方です。
よってペナントを見つけたら、次のイクスパンションの値動きを待つ。そしてペナントをブレイクして、動き始めたら素直について行く。騙されても損切してついて行く、そんなトレード方法は”あり”です。
1~2回の損切を前提にしても、動くのが分かっていて最終的に正しい方向にエントリーできれば、トータルで勝てます。ゴチャゴチャした動きとなるペナント状態の時にエントリーせずに、ペナントブレイクが値動きの起点と考えて、相場が動き始めるのを待つ、というのは有効なトレード戦略となります。
ただしさすがに何のアイディアもなしに、ブレイクの方向について行くのは芸がないので、次にペナントブレイク後の方向を予想する方法について考えてみます。
ペナントブレイク後の方向を予想する方法
ペナント=三角持合い状態の次の動きは何も分かりません・・・、と言うのだけでは面白くも何にも無いので、多少なりとも次の動きを予想する方法を考えてみます。
①上位足のトレンドを確認する
株の場合は日足チャートを見るのが普通なので、ペナント状態のチャートを発見した場合、一旦週足のチャートを見て、現在のトレンドが上か下かを把握した上で、上位足=週足の方向にブレイクする、と予想する方法があります。
この方法は、確率論的には正しいです、ただしペナントが天井だった場合を考えると、少々怖い所もあります。天井で相場が揉みあって、その後株価がストンと落ちる、何てことも頻発しますので、ご注意を。
②出来高の増加を参考にする
出来高を増やしながらのブレイク発生は新しいトレンド、出来高増が伴わないブレイクはだまし、そんな分け方で考えることもできます。
出来高はトレンドの強さを判断する有効な指標となりえます。出来高が増える=大口の資金が入る、ということにもなるため、出来高増は力強いトレンドが生じるケースも多いと言えます。ちなみにFXには基本的には出来高は存在しないので、出来高を利用できる株式や先物のトレードはFXに比べると大きな武器が存在する、ということに他なりません。その武器を使わないのはモッタイナイ。
よってペナントブレイクの際に出来高を確認することで、ダマシの値動きがどうかを判断する助けとなります。出来高を見ると100%だましを回避できる、とはなりませんが、出来高を見ることでテクニカル等の値動きの指標だけでは見えないモノが見えてくる事があります。
特にブレイクの時は出来高も一緒にご覧になってはいかでしょうか?もし出来高についてシッカリ勉強するなら下記の書籍がオススメです。
・トヨタの日足チャート(チャート画像はTradingViewを利用)
③チャート以外のファンダメンタル情報他から判断する
ペナントパターンがチャートにあって、それが上放れするかor下放れするか、これってどこまで行ってもチャートの世界。ペナントブレイクの方向を予想するその3の方法は、チャートを利用しない方法。
例えばアベノミクス相場の真っ最中にペナントパターンが出現した場合、そこから下放れする可能性が高いかと言えば、普通に上放れと考えます。この原理を応用して、現在の株式市場の全体の状況や個別株の決算状況を加味して、ペナントブレイクの次の動きを予想する方法。
これは相当努力は必要ですが、この方法でペナントブレイクの予想ができるようになると、非常に強いです。相場が次に動くタイミングと動く方向が分かるのですから。けど業績が急落している会社の場合は分かり易いですね。
ペナント後の相場の方向予想は、チャートのテクニカル分析の勉強だけでは攻略が難しい世界ですが、出来高やファンダメンテルなどを活用して何とかマスターしたい世界ではあります。
ペナント=三角持合いのまとめ
これまで「株価予想」で何度か出現したペナントパターンについて、改めてまとめてみました。本当は教科書的な書籍を使って・・・、とも思いましたが、殆ど経験値で上記書かせて頂きました。だから、投資や相場の教科書と違う、という面もあろうかと思いますが、管理人の実体験に基づくペナントパターンの考え方です。
相場は、スクイーズ(収縮)とイクスパンション(爆発)の2つの段階がある、という見方は、「ボリンジャーバンドの見方」でも紹介しましたが、その考え方で、ペナントも見ると比較的分かり易いです。ボリンジャーバンドの時と同様、スクイーズ=収縮=ペナント形成中は、イクスパンション=ペナントブレイクの時の方向は分からない、ということになります。
今後も株価予想記事で、ペナントパターンは何度も出てくるかと思いますが、上記のような考えで管理人はペナントを見ています。ペナントの時は、焦らない焦らない、ブレイクするまで待ちましょう。株は銘柄数が無数にあるので、他の銘柄探せばいいですよ。分からない相場には手を出さない、相場で生き残るための鉄則です。
以上、ペナントパターンの管理人的な見方でした。教科書的な内容から離れている部分もあるため、当記事の内容を自身のトレードに取り入れるかどうかは、読者の方にお任せします。本記事が読者の方の何かしらのヒントとなって、今後のトレードの参考になるようなら幸いです。
・ペナントブレイクを利用した株式トレードを行うなら、まずは小額から試してみてはいかがでしょうか?ソフトバンクも出資する、スマホ証券One Tap BUYを利用すれば1,000円から国内を代表する銘柄の購入が可能で、配当金も受け取る事ができます。スマホから簡単に口座開設手続きができますよ。
ペナントを見つける、ペナントブレイクの方向を予想するためには、使いやすいチャートソフトが必要不可欠です。マネックス証券が提供しているトレードステーションは、チャート分析に欠かすことのできない機能を豊富に搭載。チャート上にラインも簡単に引くことができます。チャート分析するなら、口座開設者数10,000人を超えて、無料で使えるトレードステーションをオススメします。
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