大学発ベンチャーのファンドが1,000億円規模に、案件あるの?出口大丈夫?

 大学発ベンチャーに投資するファンドの数が急拡大。政府の予算措置が背景にありますが、果たしてそんなに案件=投資見込先はあるのか?そして出口=EXITは大丈夫なのか?
 一納税者として大学発ベンチャー向けファンド、税金の無駄遣いにならぬよう願うのみです。

株式会社DMM.com証券(外為ジャパン) スポンサードリンク

大学発ベンチャーのファンドが1,000億円規模へ

 実はベンチャー関係の記事も書く中で、ボチボチとベンチャーファンドについての記事も書いています。そんな興味もありつつ、日頃新聞等見ていますが、最近大学がベンチャーファンドを設立するケースが多いなぁ、と感じていました。

 当サイトで気付いて記事にしたのは下記。

「大阪大学のVCが118億円でファンド設立、期待と不安が半々な件」

「東海地区の国立大学とNVCCがベンチャーファンド設立、課題をピックアップ」

 その他、記事に取り上げていませんが、京都大学や慶応大学もベンチャーファンドの設立を発表しています。
 どうやら大学発ベンチャーのファンド、1,000億円規模に迫っているようです。

大学発ベンチャー企業に的を絞ったベンチャーキャピタル(VC)のファンド規模が膨らんでいる。2015年末時点では前年度比2.6倍にあたる1000億円に迫る勢い。民間VCに加え、政府が資金を用意した国立大学発VCの設立が相次いでいるためだ。(2016/1/11日本経済新聞)

 そうですが大学発のベンチャーファンド1,000億円ですかぁ。ま、予算措置があるとは言え、景気のいいことです。

主な大学発ベンチャー向けファンド

 近年の大学発ベンチャーファンドをピックアップしてみます。

・大阪大学-約125億円
・東北大学-約96億円
・京都大学-約160億円
・東京大学-約400億円の予定
・東京大学エッジキャピタル-約300億円
・東北イノベーションキャピタル-約77億円
・QBキャピタル(九州地区)-約31億円
・慶応大学-最大30億円
・みやこキャピタル(京都大学)-約20億円
・NVCC+東海地区の国立大学-約20億円

 やはり結構ありますね。東京大学は本体とエッジキャピタル合わせて約700億円、さすがは日本の最高学府、と言った所でしょうか。一方、京都大学も本体で約160億円、そしてみやこキャピタルで約20億円。大学に2つも系列ファンドがあって、住み分けするのは難しそうですが、うまく理由付けを行ったのでしょう、恐らく。

16.1.12東京大学-min
やはり東大絡みのファンドが最大級

投資案件あるのか?

 正直な所、ファンドはお金さえあれば簡単に作れます。ファンドはお金集めが大変なのですが、政府がお金出す、と言っているのですから、作るのは簡単。(そりゃ事務作業は大変でしょうが、相手のいるお金集めの大変さは、全く次元が違います)

 そして問題、こんなに大学発ベンチャーのファンドを作ったはいいけれど、それに見合う投資案件はあるのか?
 丁度2000年から2000年半ばに第一次大学発ベンチャーブーム、とも言うべき時期がありましたが、結果死屍累々の状態になっています。まぁ大学の先生に会社の経営が出来る訳ない、というのが見事に証明された結果になっていますが、人間生きている内は過去の教訓がいきます。そんな訳で、もう起業はコリゴリとか、あんな失敗したくない、という雰囲気が大学内にあるのは間違いなさそう。

 羹に懲りてなますを吹く、では困りますが、けど起業って人生賭ける決断です。そう簡単に決断できないし、安直に決断させるのも考え物。大学発ベンチャー、過去の失敗があるだけに、ファンドの規模に見合った会社の数が出て来るかどうか、微妙な所です。

出口そしてパフォーマンスは大丈夫?

 
 大学発ベンチャーに投資するファンド、となれば、基本的にはアーリーステージというより、シードステージの投資になります。
 シードの段階、資本金1,000万円あるかどうかの会社に、億円単位の投資をして・・・、となるとどうしてもシェアを多く取る(50%以上とか)投資になってしまいます。IPOなんか目指さないで、M&Aで会社を売却しますわ、というノリで投資するのは簡単ですが、そんなノリで経営する方はモチベーション維持できるのか?
 またIPO目指すとなった時、大学VCのシェアが高すぎて資本政策が破綻してます・・・、何てこともありえます。民間VCに入ってもらって・・・、とよく耳にしますが、経済合理性で動く民間VC、儲からない案件に投資しませんよ。まぁお付き合い程度での出資はしてくれる先もありますが。

 そして最大の問題、本当にパフォーマンスが出来るのか?要は本当に儲かるの、ということ。

 ベンチャーファンドで利益を出す難しさは下記の記事で指摘していますが、管理報酬も貰いながら(ファンド出資者の側では、管理報酬支払ながら)、パフォーマンス上げるのって、相当難易度高しです。

 基本的にシードやド・アーリー案件に投資することになりそうなので、一発逆転満塁ホームランが1社でも出れば・・・、と言うことかもしれません。1社が100倍になれば何とかなる世界ではありますので。けどこれをするには、ポートフォリオを考える必要があります。

スポンサードリンク

ベンチャーは投資して2年程度で結果が見える世界

 大学発ベンチャーは成長するのに時間がかかる、と言われますが、大学発ベンチャーといえども企業は人が経営するので、案件の良し悪しは恐らく投資して2年程度で見えてくると考えられます。

 経営は外部の人材に任せて・・・、という話もよく聞きますが、海のモノとも山のモノとも分からない技術に人生捧げる人って、簡単にはいませんので。それも自分が開発したのならまだしも、他人が開発した技術なら尚更。

 と、一般的な大学発ベンチャーで言われることを書いても今更なので、これ位にしておきます。

 けどどーなんでしょ、投資して2年くらいで目星がつくと言われるベンチャー投資の世界。技術が確立するには時間がかかる、と言われる大学発ベンチャーの世界ですが、とはいってもベンチャー投資というフィールドは一緒なので、通常と同じく2年程度で目星がつくのではないかな。
 少なくとも、2年で、これ以上支援するor支援しない、というのが総合的に(技術面のみでなく)判断できる状態になっているのではないかと。

 その意味では、大学発のベンチャーファンドは期間が15年とか長期に渡るファンドが多いのですが、ファンド期間が長期に渡るのと、パフォーマンスが上がるのとは、そのまま直接つながっている訳ではなさそうです。(管理報酬を長期に渡って取っていくので、パフォーマンス的にはマイナス効果の可能性もあります)

 投資受ける側はファンドの期間が長ければ安心しますし、投資する側も面倒な回収作業がかなり先になるので、期間の長いファンドは投資受ける側・投資する側の双方にメリットはありますが。

15.12.15目ざまし時計-min
普通のベンチャーも大学発ベンチャーも時間の流れ方は一緒

まとめ

 各方面で政府の予算が大盤振る舞いらしいですが、こんな所=大学のファンドにも影響が出てきているようです。

 トレードとか上場株とかには殆ど関係ない世界ですが、IPO投資は興味ある分野ですし、一納税者として大学のベンチャーファンドの乱立は、本当に回収できるのか?、と素朴な気持ちで思ってしまいます。

 大学発ベンチャー、日本の将来のためには活躍していただきたい所ですが、税金を使ってこれだけ大量に組成してしまう大学発ベンチャー支援のファンド、税金の無駄遣いにならぬよう願いたいです。

FivoCat
「株価プレス」のFacebookアカウントをフォローすると、更新情報をタイムラインにお届けします!
スポンサードリンク
スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です