銀行名から東京が抜けた状態に慣れつつある三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)。AIやマイナス金利で銀行を巡り環境が大きく変化していますが、国内No1銀行の地位は安定しています。
そんな三菱UFJの株価ですが、節目の攻防を展開しています。節目の攻防を上に抜けるか、下に抜けるかが注目されます。また2019年3月期は減益決算ながら増配をしており、配当利回り4%台となっており、配当という観点からもみずほFG同様注目を浴びつつあります。
三菱UFJ-FGの株価について、現在地点を確認するとともに今後の値動きを探ってみました。(2019年5月27日更新)
概要
三菱UFJフィナンシャル・グループの業績推移
最初に三菱UFJの過去5期分の業績推移を見てみます。
2019年3月期は増収の一方で減益。マイナス金利が定着するなど、決して銀行を巡る環境は良好とは言えませんが、日本No1銀行を抱える三菱UFJ-FGも業績的には楽はができない状態を伺い知ることができます。
それでも日本経済自体は好調に推移している中で不良債権に苦しんでいる訳ではないので、安定した決算と言うことができます。
三菱UFJフィナンシャル・グループの配当金推移
三菱UFJの配当金は下記のように推移しています。
三菱UFJフィナンシャル・グループの1株当たり配当金推移
2010/3期12円→中間6円→期末6円
2011/3期12円→中間6円→期末6円
2012/3期12円→中間6円→期末6円
2013/3期13円→中間6円+期末7円
2014/3期16円→中間7円+期末9円
2015/3期18円→中間9円+期末9円
2016/3期18円→中間9円+期末9円
2017/3期18円→中間9円+期末9円
2018/3期19円→中間9円+期末10円
2019/3期22円→中間11円+期末11円
2020/3期25円→中間12.5円+期末12.5円
2017/3期まで中間・期末もいずれも9円の年18円配当が3期続きましたが、2018/3期から増配を継続中です。2019/3期は減益決算ながら増配となっています。
尚、株価500円で計算した時の三菱UFJ株の配当利回り(年間22円)は約4.4%です。三菱UFJクラスで配当利回り4%台であれば、超長期の保有もあり?、と思わないでもない水準ではあります。
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三菱UFJフィナンシャル・グループの株価推移と高値と安値
三菱UFJの株価を考える前に、2012年以降の株価チャート(月足)を見てみます。
「画像出典:マネックス証券/日本株取引ツール トレードステーション」
マネックスTradestation
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・最高値1,950円(2006年4月)
・最安値318円(2011年11月)
長い目で見れば、少しずつ回復している三菱UFJの株価ですが、最高値1,950円への道はまだまだ先、と言わざるを得ません。
直近の三菱フィナンシャル・グループの株価
直近2019年5月27日時点での三菱UFJ株の週足チャートは下記のようになっています。
足元は下落トレンドを形成中。2016年7月の425.8円という安値まであと100円を切っています。2018年は年間を通じて株価的には殆どいい所なしの状態です。そして2019年12月末の安値514.7円を5月に割れてしまっています。雰囲気的には一旦安値更新トライとなりそうな状態です。
尚、2019年5月24日の終値は505.2円でした。
三菱UFJフィナンシャル・グループの株価ポイント
三菱UFJの株価について、過去のチャートから考えられる株価のポイントを2点ピックアップしてみました。
フィボナッチ・リトレースメント38.2%の940円付近
三菱UFJの月足チャートの高値と安値にフィボナッチ・リトレースメントを引いたものが下記チャート。
最高値から下落いた底値を付けて反転し、リトレースメント23.6%まで上昇→リトレースメント38.2%まで上昇→大きく戻しを入れる→再度38.2%を目指して上昇するも失敗し下落中、そんなストーリーとなります。
フィボナッチ・リトレースメントの観点では38.2%の攻防は76.4-88.6%の攻防に次いで重要であり、三菱UFJの株価はリトレースメント38.2%の壁が大きく立ちはだかっている状態です。
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フィボナッチ・ファンに沿って上昇と下落をしている
珍しくフィボナッチ・ファンをリトレースメントと同時に引いたチャートが下記です。フィボナッチ・ファンもトレードステーションなら簡単に描写可能です。
足元三菱UFJの株価はフィボナッチ・ファンに沿いながら上昇し、その後は下落していることが分かりす。まさに2019年5月末の現在、フィボナッチ・ファンの最後のライン(88.6%)を割れるかどうかの瀬戸際となっています。2016年の際はファンを割れずに再度上昇となりましたが、今回も再び耐えることができるのか注目されます。
フィボナッチ・リトレースメントよりファンがキレイに効いている銘柄がありますが、三菱UFJはその典型例といえます。
三菱UFJフィナンシャル・グループ株価の今後予想される値動き
三菱UFJの株価について、上記のポイントを利用しながら、今後の値動きを予想してみました。
上昇のケース
上昇の場合はフィボナッチ・リトレースメント38.2%で反転している経緯があるので、リトレースメント38.2%の940円付近をブレイクするような値動きが予想されます。
三菱UFJの株価上昇にはリトレースメント38.2%の940円付近が壁となっており、まずは同水準の上方ブレイクが必要不可欠です。そして940円付近を上に抜ければ、お次は1,600円付近のリトレースメント76.4%を目指す値動き、となるのがフィボナッチ的な見方。
三菱UFJの株価はフィボナッチ・ファンが効いているので、ファンのラインに影響を受けながら上昇する可能性があります。あとリトレースメントのラインとファンのラインの交差部分に値動きが吸い寄せられるケースもあるので、豆知識として知っておいて損はありません。三菱UFJの株価はフィボナッチ・ファンが効いているので、上昇の場合でも一気に上昇するのではなくファンに沿いながら段階を踏みながら、となるのではないかと。
下落のケース
下落の場合、既にフィボナッチ・ファンの端の攻防をしており、ファンの端を下に抜けることになります。そして下に抜けてしまうと、次は2011年の安値の318円を目指すことになってしまいます。
しかしさすがに318円に向かう前に2016年の安値400円台で反転する可能性もあります。フィボナッチ・ファンよりサポート&レジスタンスが効く、と考えれば400円台での反転の可能性もあります。
メガバンク3グループの株価比較
メガバンク3グループの株価を比較してみましょう。昨年12月26日に多くの銘柄が安値を付けており、12月26日を基点に三菱UFJ、三井住友FG、みずほの3銘柄の推移を記したものが下記となります。
関連記事:トレードステーションを利用して日経平均等の指数と各銘柄の強弱関係が簡単に分かる方法
茶色の日経平均に最も連動しているのは三井住友FG株(緑)。一方の三菱UFJ(赤)とみずほ(黄)の2銘柄は日経平均に関係なく4月後半以降下落が続いています。三菱UFJは一旦反転の兆しも見えますが、みずほは下落が継続しています。
三菱UFJの株価は4月に入ってからの下落が大きいく、みずほの下落を超えてしまいました。5月に入りみずほの水準は上まわりましたが、三井住友FGはおろか、日経平均の背中もまだ遠い状態です。
日経平均や類似の銘柄との強弱を見ると、銘柄単体では見えないものが見えてきますよ。
三菱UFJフィナンシャル・グループの株価まとめ
三菱UFJの株価は月足にフィボナッチ・リトレースメントとフィボナッチ・ファンを描いてみると、株価を探るヒントが隠されています。現在のフィボナッチ・ファンの端の攻防、最終的に買い方と売り方のどちらが勝利するか注目されます。
マイナス金利政策が続き、AIも台頭の中でさすがの三菱UFJと言えどもこれまで通りの経営では、収益的にはジリジリと後退を余儀なくされ、日経平均より下落している三菱UFJの株価は株式市場が業績の先行きを不安視しているとも考えられます。
三菱UFJの株価、今後も注意して見て行こうと思います。
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